嵐の前の静けさ
〜レジスタンスアジト〜
「まぁそんなこんなでレジスタンスに入ることになったわけだな。あとはまぁ由美の親説得して、レジスタンスの頭を売るフリして俺が国の軍部に潜り込んだってだけだな。」
「へぇそんなことがあったんだねぇ。で、なんで今まで教えてくれなかったの?」
「まぁ...それは...」
「山川に2人の死闘の話はしたくなかったって辺りか?なぁ大地。」
「...そう思ってくれればいいですよ。」
「確かにちょっとびっくりしたけどね2人が本気でやりあったことがあるなんてさ。」
「あまりうそをつくもんじゃない大地。」
「...なんだよ嘘ではないだろ?」
「まぁ嘘ではないなただ少し足りないだけで。」
「?」
「あ、あ!もうこんな時間だ軍部に戻らないと!」
「あっほんとだ。そう言えばさっき顔が割れてきたとかなんとか言ってたけど大丈夫か?」
「あぁ大丈夫ですよ。顔が割れてきたってのは適切な表現ではないですしね。ただ少しスパイの存在を上が疑い始めたってだけですから。」
「そうか?まぁバレそうだったらさっさと引きあげろよ?」
「大丈夫ですよ。最悪誰かに疑いをなすり付けますからね。俺は最初に頭を売るふりをしたおかげで多少他の人よりは信頼されてるので。それにようやく兵役は終わるんです。それが終わればもっと上の立場になることが出来る。そうすればもっと重要な情報を持ち帰れますからね。まだ引く訳には行きませんよ。」
「...そうだな。任せた。」
「ではこれで失礼します。」
「あぁ頑張れよ。」
「じゃぁねぇ大地。」
「ヘマすんなよ。」
「言われるまでもねぇよ。」
そう言って俺はアジトから軍部の寮へと帰った。ダラダラと背中に冷や汗をかきながら。空め...いらんことは言わんでいいんだよ気付いてないんだからさ...。
〜王国軍部 寮〜
アジトでのことは頭の隅へと追いやり寮へと戻る。冷や汗のせいで道中少し寒かったが特に何事もなく戻った。廊下で同じ兵役中の兵士とすれ違いながら自分に割り当てられた部屋へと向かった。割と寮は広く、かなりの部屋数が用意されているためか、最下級の兵士達を除き、全兵士に個室が用意されている。個室とは言ってもベットと机がひとつおける程度の狭い部屋だが。普通兵役中は最下級兵士として扱われる。しかし、俺は兵役中でありながら他人より強力な能力故に少し上の階級として扱われている。正直個室というのは非常に有難い。部屋に他人がいると俺は立場の関係上常に気を張ってなきゃいけなくなる。それに、1人であるため少し自由に動きやすいという利点もある。影で少しイヤミを言われるという点を差し引いても非常に有難いことだ。さてと、なんかアジトで余計な追求受けて疲れたしさっさと寝るとするk
「おっちょうど帰ってきてたか下田上等兵。」
思わず嫌そうな顔になりかけるがなんとか耐える。なぁんか嫌な予感するんだよな。
「はっただいま帰還しました。軍曹殿。」
「帰還しましたって別に任務に行ってたわけでもないだろう。それに春からはお前も軍に正式に入隊して軍曹になるんだろう?休みの日くらいもうちょっと..な?」
「はぁそうですか。しかし、同じ階級と言っても私は特殊な立ち位置ですが。」
正式入隊で軍曹とは正直自分でも待遇がおかしいんじゃとは思うが、この国は能力を特に評価する。だからこそ周りより強力な能力を持つ分待遇も良くなる...訳だが、それだけでなく俺の場合特殊な立ち位置にある。活躍と能力の評価によって俺は兵役中の兵士ではなく、正式に入隊し、既に実力を示しているもののみで組まれる分隊に所属することになっている。この国は基本的には特に戦時中という訳でもないため、正式入隊した兵士が兵役中の兵士を率いて分隊として活動することが普通だ。軍曹といえば本来ならさらに複数分隊をまとめるような役割を受ける場合が多いが、俺は特殊な立ち位置故の分隊の一員。まぁそれでも軍曹は軍曹だし、こっちの道の方が登りやすいのだが。
「そうだったな。いやぁ正直俺はお前が羨ましいよ。今こそ俺が上官だが春になれば同じでしかもお前の立場なら俺より上へ登れるだろう。」
「そうなれば嬉しいですが、兵役中の兵士の分隊よりこちらの分隊の方が動くことは圧倒的に多いですから私は登るまで生き残れるか不安ですよ。」
「ハッハッハ!謙遜するな。お前は同期の中でも特に優秀だと軍部では噂になってるぞ。」
「過剰評価ですよ。」
「そうかそうか。まぁでも個人的な見解でもこれまでの活躍を見る限りお前はなんだかんだ生き残って、もっと高い位置へとのぼれるだろうよ。」
「そう言ってくださるとありがたいです。」
「よし!じゃぁ飲みに行くか!」
「え?」
「お前は将来俺の上官になるだろう。だからこそ今のうちに...な?」
「は、はぁそうですか...。」
「そうと決まればさっさと行くぞ!明日も訓練だからな!早めに行って早めに帰ってくるぞ!」
「了解です。」
...こうなると思いましたよ。えぇ思いましたとも!だってこの人普通にいい人だし上官としても優秀だけど酒豪なんだもの!話しかけてくる時はだいたい酒の話してくるもの!
...はぁ、今日は長い一日になりそうだ...。そんな憂鬱な気持ちを心の奥底へと押し込んで上官に連れられ夜の街へと向かうのだった...。助けて...。
To be continuous...
Flag of Rebellion @kulou2001
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