不思議の力の担任教師

犬好きのおじさん

不思議の力の担任教師

「そうか。わかった。なら、ぶちかまし合えよ。」



この言葉を合図に、僕らのクラス全体に緊張が走る。

勢い良く閉まる教室の引き戸と窓にかかるカーテン。

いままで気にも止めなかった教室の秒針がこの瞬間、主張を始める。

静まった教室。

覚悟を決める生徒40人。



それはいつも些細な事から始まる。


誰かがいじめられた。

何かが無くなった。

授業中うるさい。

クラスの決め事が決まらない。


人によっては、その内容は大したことのないものもある。

その大したことのないものでも、被害者、加害者、支援者、傍観者に必ず分かれる。


担任教師が眼鏡を外しその瞳が金色に染まると、生徒40人の座る席が勝手に動き出す。

そうして出来た構図は3つ。

被害者と、その支援者。

加害者と、その支援者。

そして傍観者。


この中学校の2年B組、恒例の異質な授業がまた始まる。



「さぁ、授業を始めようか。」

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不思議の力の担任教師 犬好きのおじさん @tori3umi3umi

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