第10話 王さまバケーション〜最後の晩餐

ふぅ…あぁ…身体が重いなぁ…って、『桜井さんたちどうしたんですか?』

『かぁ、どうした?あのさぁ、フィットネスで2時間汗流しただけで3週間も寝てるとはすごいよなぁ!』

『えぇ…そんなに寝ていたんですか?』

『そうだよぉ!』

『ところで、どうしたんですか?』

『おい、おい、今日は俺の別荘で花火を見に行く日だろう?』

『えぇ…今日ですか…準備もしていないのですが…』

『大丈夫だよぉ、何もいらないから着いてくれば良いからぁ。』

『はい。』


『あぁ…坊っちゃん、これで全員ですか?』

『吉永、竹下、篠原、佐藤、俺っと!』

『大丈夫だぁ!熱海の別荘に出発!』

『それでは、これより、紅茶とサンドイッチを配ります。竹下様は特盛幕の内弁当とお茶を準備しております。

食べ終わる頃には別荘に着くと思いますのでゆっくりしていて下さい。』

『あぁ…じぃ〜やぁ、気を使わなくて大丈夫ですですよぉ。』


『はい、皆さん、到着致しました。』

『では、お部屋の鍵をお渡し致します。まずは女性からお渡し致します。101号室は吉永様、102号は篠原様、103号室は三好様、女性の部屋は1階になります。まだ、三好様はご到着ではないなので後でお渡し致します。これより、男性のお部屋の鍵をお渡し致します。201号室は佐藤様、202号室は竹下様、坊っちゃんは203号室となります。』


『あぁ…すごいなぁ…ホテルみたいな部屋だなぁ。1号室と2号室は山側なんだぁ。3号室はどうなっているのかなぁ?』

『桜井さん、お部屋見せてもらってもいい?』

『あぁ…良いよぉ。』

『えぇ!こっちは海側なんだぁ…』

『まぁ、こっちは親戚や家族が使うからなぁ…』

『あれ、中庭が見えるなんてぇ、素敵だなぁ…』

『あぁ…そうだねぇ。夕方にバーベキューをして、花火が打ち上がるから楽しんでねぇ?』

『これからは、夕方までゆっくりすると良いよぉ。』


『じゃそうするねぇ!』


『あぁ…ごめんねぇ。』

『三好ねーさん、遅いなぁ…』

『道が混んでいたから…あぁ…それとバーベキューの食材やお酒など買ってきたよぉ!』

『えぇ、じぃ〜やぁが買ってくると思っていたよぉ。言ってくれでば、寄ったのに…』

『そう言うと思ったから、黙っていてもらったのぉ。』

『えぇ、何でだよぉ!』

『だって、真が付き添うと色々買うでしょ!去年は肉だけで20万円以上買うし…半分以上は廃棄したからねぇ!』

『だからと言って、冷たいなぁ…』

『ごめんねぇ、でも、友達と来て良かったでしょ?』

『そうだねぇ。楽しかったよぉ。』

『あぁ…そろそろ、全員集合して、夕日をバックにバーベキューしましょう。』

『真、みんなを呼んで来て!』

『解った呼んでくるねぇ!』

『お久しぶりです。三好のねーさん。』

『あらぁ、吉永さん、篠原さんねぇ。元気そうねぇ?』

『こちらの方は?』

『初めまして、佐藤 尊と言います。桜井さんの同級生です。』

『はい、宜しくねぇ。』

『あれぇ、真は何処にいったのかしら?』


『三好ねーさん、大変です。』

『えぇ、どうしたんですか?真君が浴槽で溺れています。』

『どう言う事…真はあなたでしょ

?』

『えぇ…誰?この人は?』

『あれぇ、竹下さんが溺れてるじゃないかぁ…早く救急車を呼んで…!』


『ふぅ、苦しい…助けてくれ…死にたくないよぉ…どうなっているんだぁ。バタバタ…意識が遠のいていく。この身体で亡くなるのかぁ…まだまだ、やりたい事があったのに…最後の晩餐が特盛幕の内とは…』


『やった!入れ変わった!これからの人生は最高だぁ!まさか、浴槽で寝るとはなぁ…つい、疲れがたまって寝てしまったなぁ…それにしても、溺死したのにまさかなぁ、途中で意識が遠のいてしまったなぁ…。それにしても、悪い事したなぁ…でも、ありがとうございました。邪魔者がいなくなって、普段の生活に戻れたよぉ…。本来なら、縁もゆかりもない奴のせいで悪夢な人生になるところだったからなぁ。アバヨ !』


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