確か、『カリフォルニア物語(吉田秋生、小学館)』だったろうか。ゲイバーに入ったストレートの男性が、『セックスの的になるってのはすげえプレッシャーだ』と述べる場面が出てくる。
本作では、主人公が女装した途端に電車で痴漢に襲われる場面が出てくる。非常にハラハラした。『男なのに痴漢だなんて言えない』……。まさに現代日本社会の立ち遅れを示した一言だ。
むろん、本作はそれだけを訴えているのではない。本来、誰がどんな格好をしようが(公共の福祉に反しない限り)自由だ。単に勝手であるはずのことが何故つまらぬ制約を受けるのか。
誰にとってもジェンダーフリーを考える良い機会になろうかと思う。