第3話 珈琲
帰路に着いた後、家に帰りドアを開ける。すると香ばしい珈琲の香りがした。
どうやら彼女が珈琲を淹れてくれているらしい。台所に行くと、寝ぼけた顔で、
「おはよ」と言われた。
「あゝおはよう」
「どこ行ってたの?」
「ん、ちょっと散歩してた」
「へ〜、それよりさ!最近自由が丘に出来た[milk Land]ってとこ行こうよ!」
「ふぁ?なにそれ?」
「お団子ぶらざ〜ずってYouTubeチャンネルで紹介してたの!」
こうなるとコイツ、言うことを聴かなくなる。媚びられてもめんどいし、行ってやるか。
「わかった、行こう」
「やったぁ!はい、珈琲」
「お、ありがと」
彼女は僕が何をしてきたかなんて考えても無いだろう。そうして、昨日咲かせた、[苦しみの桜]を思い出し、珈琲に口をつけた。
珈琲の香りが優しい。
Kilil
殺人という銃とその反動それによる世界の崩壊 Kilil Rosens @kiriruroozent
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