Tips 05. 変異植物「バミュー」データファイル

【血のように赤い蕾が、意思を持つかのごとく開いては閉じる。その色が紫がかった淡紅色に変化する。花弁の内側には乱杭歯のような棘がびっしりと並んでいて、さながら獲物に食らいつかんとするワニの顎を思わせた】



◆基本データ◆


 コードネーム:バミュー

 種別:変異植物

 身長:60メートル

 体重:5万1千トン

 登場エピソード:第二話「その名はキリエス」



◆解説◆


 芦ノ湖に現れた巨花。植物園で管理されていたサンショウバラと蔓バラが肥料に含まれていたレキウムによって汚染され、ひとつの生命へと合体・進化した姿。


 湖底に潜んで生長を続けていたが、あまりに巨大なその体で行う呼吸は湖の溶存酸素を著しく消費し、魚の大量死の原因となった。なお、光の届かぬ湖底では光合成ができず、不足する養分は他の生物を捕食することによって補っていたようだ。


 花弁から噴射する「硫化花粉」や強酸性の「溶解樹液」、蔓の触手と、元が植物とは思えないほどの多彩な攻撃パターンでキリエスを苦しめた。

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