鶴帰る空見ればただ青さかな

【読み】

 つるかへるそらみればただあをさかな


【季語】

 鶴帰る(仲春)


【大意】

 鶴が北方へと帰り去る空を見上げるとただただ青いのであった。


【附記】

 帰る鶴の写真をみてつくった。後述の定実(生没年不詳)の歌の本歌取りと見てよいかと思う。日本ではマナヅルやナベヅルが晩秋(10月頃)に飛来して3月頃に帰るらしい。タンチョウは渡りをせぬ由。なお、春は「青春」とも言う。


【例歌】

 ほととぎす鳴きつるかたをながむればただ有明の月ぞ残れる 藤原定実(後徳大寺左大臣)


【例句】

 引鶴ひきづるの声はるかなる朝日かな 蘭更らんこう

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