星くづのこぼれ落ちてやほたる草

【読み】

 ほしくづのこぼれおちてやほたるぐさ


【季語】

 ほたる草(三秋)


【語釈】

 ほたる草――露草の異名。


【大意】

 星くずがこぼれ落ちて露草が咲いたのかなあ。


【附記】

 露草は古名をツキクサ(月草、鴨跖草)というらしい。ホタルソウと読めばホタルサイコ(蛍柴古)の異名で晩夏の季語の由。なお、「流星(ながれぼし、星流る、星飛ぶ、夜這星)」は三秋の季語である。


【例歌】

 いかばかりあだに散るらん秋風のはげしき野辺の露草の花 源俊頼

 我が待ちし秋は来にけり月くさのやすの川原に咲きゆく見れば 良寛


【例句】

 露草の染めて通らん古油単ふるゆたん 才麿さいまろ

 露草や朝日にひかる鹿の角 野明やめい

 露草のさかりをきえて夜の雲 闌更らんこう

 月草の色見えそめて雨寒し 暁台きょうたい

 虫鳴くや花露草の昼の露 正岡子規

 牛部屋に露草咲きぬ牛の留守 同

 露草や野川の鮒のささ濁り 同

 朝風や蛍草咲く蘆の中 泉鏡花

 露草や露に坐したる地蔵尊 寺田寅彦

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