売らるべきコスモス見ゆる車窓かな

【読み】

 うらるべきコスモスみゆるしやさうかな


【季語】

 コスモス(仲秋)


【大意】

 売られていくに違いないコスモスが(電車の)車窓から見えることである。


【附記】

 電車でコスモス畑をよぎった折の作。


 思えば電車とコスモスは相性がよさそうである。いずれも近代に西洋から入ってきたものであるし、風を感じさせるところがある。


【例歌】

 いつしかとこすもす咲きぬ草の中細雨ささめの前のともし灯のごと 与謝野晶子

 去年こぞありし赤児の笑にたぐへつるこすもすの花匂ふ秋きぬ 同

 大空の青きとばりによりそひて人を思へるこすもすの花 同


【例句】

 コスモスの花に蚊帳かや乾す田家かな 村上鬼城

 コスモスや束ね上げてもからめても 寺田寅彦

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