第二話 あの時はごめんね
家についた。質素な二階建ての一軒家。
私は合鍵で扉を開け、踏み込んで入る。
「おかえりー、お姉ちゃん!」
すぐに声が聞こえた。弟の声だ。
「ただいまー、
すぐにこう返すのが、私の日課である。
靴を脱ぎ、
「おかえり、
「ママただいまー。そうだね、部活が大変になりそうだよ……」
テレビをみていたのはやはり私の母だった。トークバラエティ番組をみていたらしい。横には畳んだ洗濯物が置いてある。
だがそれも
――暗い。
壁のスイッチで電気をつけた。
「……。……」
目についたのは桃色の薄い毛布がかかったベッド。夏休みが始まろうとしているからか、今すぐに飛び込みたい
それもそのはず、夏休みはこれで始めようと思ったからである。
しかしそう思うのも
「……着替えよ」
そうすることにした。
ダボダボの白Tシャツに
抜け
早速、ベッドのもとへダ〜イブ!
――ボスッ。
「はぁ〜……」
心地いい、力が抜ける〜。体が溶けてしまいそう……
ベッドにうつ
デスクにあるスマホを手に取って
早めに送っといた方がいいかな。そう思った私は、友奈に教えてもらった方法でメモ書きを
――できた!
なんだろうこの達成感。スマホを持っていない手をグッと握る。
でももう一つ、送る言葉があったのを私は覚えている。早速その言葉を作り始めた。
できた言葉は「あの時はごめんね」。
今朝、友奈が髪について私にこう聞いてきた。
『ねぇねぇ!昨日新しいトリートメント使ったの!どうどう?』
ちょうどいい長さの栗色の髪が彼女のチャームポイントだと知っていた。が、私はそれに興味を持っていなかったのでそっけない顔をしていたら少し揉め事になってしまった、というわけである。
そのことに対する謝罪がこの言葉。
作った言葉を友奈に送る。
――友奈ちゃん、大丈夫かな。
私は友奈からの返信を待ちに、自分の部屋を出て、母が見ているテレビを見始めた。
清葉学園中学校・文芸部 金環油菜 @yuna-konowa
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