第13話 聖騎士シャルロット

時を同じくして、リージェンとユリアが草原に転移した時、ネリスとシャルロットも別の草原に転移し、 戦っていた。


バンッバンッバンッ!

とネリスが魔導銃から魔弾を撃ち、


ドンッドンッドンッ!

シャルロットが盾で魔弾を防ぐ。


「ふむ、流石は聖盾だな。私の魔弾を受けてもビクともしないとは。……それにしても、君からは戸惑いが感じられるが、何を戸惑っているんだ?」

とネリスはシャルロットが戸惑っていることを感じ取り、

銃を構えながら質問すると、


「正直、私は勇者様に少し違和感を覚えているんです」

「違和感だと?」

とシャルロットが勇者に違和感を感じたことを述べと、

ネリスが疑問を浮かべて問う。


「はい。それに勇者様に会う前にある魔女に出会い、勇者には気を付けろと言われまして。私自身も最近勇者様を不審に思っています」

「なら、君は何故勇者と一緒にいる?」

「国王様の命なので、従わないと爵位を剥奪されると思って」

とシャルロットはある魔女に勇者には気を付けろと助言され、自分も不審を抱いてることを述べると、ネリスがそれなら何故勇者と一緒に居るのかを問うと、

シャルロットは国王の命で仕方がなく従っていることを述べる。


「成程。暗君と呼ばれているヴァロルド王なら、その可能性は大いにあるな。」

「はい。ですから、仕方なく勇者様のパーティーに居るんです。」

とネリスは述べ、シャルロットはそう答える。


「ふむ。物は相談なのだが、我が帝国軍に入らぬか?」

「え?何故敵である私に、そんな事を?」

「他意はない。君みたいな有能な者をスカウトしたいだけ。それに滅ぶ国に戻った所で無意味だ」

とネリスはシャルロットに帝国に居るかと聞くと、

シャルロットは何故敵である自分をスカウトするのかと問うと、ネリスは他意はなく有能な者をスカウトしたいだけと述べる。


「え!王国が滅ぶってどういう事です!」

「もし、王国がこの戦争に勝っても、狂王が動き出している今、王国を先に攻めるのは目に見えている。それに弱くなった勇者が狂王や他の魔王を倒せるとおもうか?」

「え?勇者様が弱くなっているって、如何いうことですか」

シャルロットはネリスが平然と王国が滅ぶと言ったことに驚き、ネリスは何故王国が滅ぶかを述べ、それを聞いたシャルロットは勇者が何故弱くなっているかを問うと、


「ふむ、君ほどの者が勇者が弱くなっていることに気が付かないとは。この間、牙狼王との戦いで苦戦したみたいじゃないか。」

ネリスはシャルロットの問いにそう答えると、


「それは勇者様が不調を来たしたから」

「その不調が勇者が弱くなっている証拠だ」

シャルロットは自分達が苦戦していたのは勇者が不調を来してと述べるた、ネリスはそれが勇者が弱くなっている証拠だと答える。


「な、それじゃ勇者様は本当に弱くなっているのですか?でも、何でそんな事を貴女が知ってるのですか?」

とシャルロットはネリスに疑問を述べると、


「私、いや私達はジーク様が三女神様より聞かせれたと聞いた」

「え!三女神様があの人に直々に申されたですか?でも、何故我々や勇者自身じゃなくあの人に?」

とシャルロットは驚きながら、疑問を述べる。


「それは多分ジーク様が三女神様にも好かれているからだろう」

とネリスはそう答える。


「そ、そんな。だったら私、いや私達王国は三女神様に刃を向けたも同然じゃないですか。私はどうしたら」

とシャルロットは自分達が愚かな事をしている事に気付き、絶望していると、


「だから、君を勧誘しているんだ。あの賢者はどうだか分からないが、王国民の殆んどは勇者や国王の味方だが、そんな中君は自身の過ちに気付いた。

そんな君を愚かな王国と共に死なすのは、勿体ないと思ってな」

「でも、私は敵国の者ですから」

「なら、私がジーク様に言おう、あの方なら君の有能さを直ぐに分かってくれるだろう」

とネリスはシャルロットに述べる。


「うぅ、なんて優しい人なんでしょう。

あのお名前をお聞きしても?」

「ん?ああ、そういえば名乗ってなかったな。

私はネリス、ネリス・ハーネットだ」

「え!ハーネットって、まさか貴女は鷹のホークアイの異名を持つアイザック・ハーネットさんのご息女だったんですか?」

とシャルロットはネリスがハーネット家であることに驚く。


「ふむ、君は私の父を知っているようだか?」

とネリスはシャルロットに父を知っているのかを尋ねると、


「知ってるも何も、王国が何年も討伐出来なかったあの魔鳥デーモンバードをたった一矢で倒した英雄の1人でなないですか!」

とシャルロットは驚くが、


「ふむ、父はそんな偉業を成し得たのか」

「え。貴女、知らなかったんですか?」

「ああ、父は余りそういうのを話さないからな」

とネリスはシャルロットにそう述べる。


「さて、少し喋り過ぎてたか」

とネリスは言いながらポケットからアクアマリンの魔法石を取り出すと、


「あの、それは何ですか?」

とシャルロットはネリスが取り出した魔法石を不思議そうに見ながら、尋ねる。


「ん?これか、これは転移石ゲートジェムと言ってな。転移魔法を使えない者でもこれを持っていれば、同じものを持っている者の所へ、転移できる特殊な魔法石だ。」

「成程、つまり誰でも疑似的に転移魔法が使えるってことですね?」

とシャルロットはネリスの説明を聞くと納得する。


座標指定コーディネートデザイネイショーン紅玉ルビー

門よ、開けテレポーテーション

とネリスが唱えと、足元に青色の魔方陣が現れ、

ネリスはシャルロットと共にジークヴェルトの元へ戻る。

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evilsureiya 邪悪を斬る帝国の剣 環咸 @ht2129

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