最終話【決】Side-B
視界の全てが
少し離れた所には四角く切り取った
そして、目の前には木で編まれた揺り
「やぁにーさん、ひさかたぶりだね。元気してた?」
声がした方に顔を向けると、赤髪のアロハシャツに黒いジャケットを
「ん、おかげさまで。てゆーかあれだろ、お前真衣だろ」
「ぁー、やっぱバレてた?」
「見た目は僕の知ってる妹のそれとは全然違ったけど、なんとなくそんな気はしてた」
「さすがにーさんだね。血が
大雪害のあの日、奇跡的に絶望しなかった世界線でのその後が、目の間にいる彼女、即ちアミであるらしかった。他者に絶対服従の信号を発する本来の
「全能属性っていうのかな?基本的にはなんでも出来るよ。
観測者と化した彼女は、平行世界を渡り歩き、その都度僕たち兄妹をなんとかして救おうとしたらしい。だが、結果は全て報われなかった。いずれもバッドエンドで終わり、半ば諦めながら義務感だけで気が遠くなる程の数をこなしてきたそうだ。
「それで?何で今回に限ってうまくいったんだ?干渉できないなら前みたいにコンビニで喋る事も出来ないだろ?」
「普通ならね。でもさ、おにーさんあの時、一瞬だけど能力解除してたじゃん。昔も結局教えてくれなかったけどさ、あれでしょ?自分の存在感を希薄にするみたいな、そんなんでしょ?」
こちらはこちらで案の定バレてた。
「正確に言うなれば、他者の意識を極限まで己に向けない能力なんだけどな。常時発動しているから、
「
懐かしい気持ちになる。僕を含めた一家への迫害が強まる束の間のあいだまでは、
「そんでまぁにーさんの能力が分かったはいいけどさ、これがまぁ全然
「付き合い短かったけど、ドSっぷりを除けばたぶん悪い奴じゃない・・・のか?」
振り返ればそれなりの数の人間を
「そりゃあ元婚約者にスプーンで片目刳り抜かれちゃったら頭おかしくなるでしょ。
「めっちゃ
「そうだね。彼と一緒に妹と対峙しつつ、且つにーさんが真衣を救いたいって思ったから、今この場所に来れたんだよ」
ーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy
本当にこれで、良いのだろうか。
それでも、
それでも僕は。
それでも妹を助けたい
ーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yー
「・・・まぁ家族だしな。当然だろ」
急に恥ずかしくなってきたので、赤くなった顔を背けるようにして
「にーさん、かっこいいなぁ。血が繋がってなかったらソッコーで告って突き合っちゃいたいぐらいだよ~!」
「付き合うに訂正しろ。というかお前真衣とキャラ違いすぎるんだよ。ちょくちょく下世話なネタ挟んでくるし見た目全然違うし
「あははっ。まぁアミに為ってから喋るのって、今回が始めてだったからさ。それに嬉しかったんだよ。真衣を救う事を決意してくれた、おにいさまがわたくしの目の前にいるのが」
ほんの一瞬だが、髪が青色に。そして服装がドレスを纏っている姿に、変わった気がした。
「もう間もなく時間切れな感じか」
「うん・・・本当はもっとたくさん話したかったけど、そろそろ限界っぽい」
決断の時は来たようだ。改めて目の前の赤ん坊をみる。
「自分で自分を手にかけるのって、自殺になると思うか?」
「どうだろ、あたしには分からない。でも、本当にいいの?にーさんの存在が消えるちゃうんだよ?そこまでする必要ってあるのかな」
僕がいなければ。
おそらく妹は幸せにやっていける
「そこまでしなければ、いけないんだ」
なぜなら真衣は。
この世で唯一人の。
大切な妹だからな。
僕は優しく包み込むように、抱きしめる様に、赤ん坊の首を
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
ーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yー
緑夜叉村から少し離れた
「あーもうやだ、本当疲れた、マジでタイアド。俺ってばお前を助ける為に今回の一件で何度命を落としかけたことか。成年に達する前に人生経験積みすぎて
「うふふ、タカシったら冗談がお上手なこと。そもそもアナタは2回死んでるし、髪だってショックで真っ白じゃない。とはいえ、苗字も白石だし丁度良いかもね」
「いやあんだけ殺し合い紛いの事したらそりゃ真っ白にもなるよ。
「まぁあきれた!こんな最中でぷろぽーずだなんてはしたない!でもね、そのうち子を授かった際、わたくし実はもう名前は決めておりますの」
「ん。そうなのか、
「私たちが結ばれ、新しい日々の扉を開くその瞬間を
ハジメにしましょう。
Happy days begin...【EnD oF tHe TrAgEdY!!!!!】
きる☆まい☆しすたぁ 宮園クラン @miyazono-9ran
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