本能寺の変を考える、誰が犯人か②様々な可能性
この公開日は、旧暦で本能寺の変の6月2日です。
ということで
前項では犯人は光秀だろうということを書きました。
それだけでは面白くないので、可能性をいくつか考えてみます。小説のネタにいかがですか?
秀吉の出自を書きました。
気になる事はありませんでしたか?
藤吉郎秀吉は、若い頃、遠州頭陀寺城主松下源太左衛門長則にご奉公していました。
この松下氏は元々は松平家の関係者です。
話が飛んで、今川義元が亡くなった後、その混乱で今川家の領土は、武田氏、北条氏などかつての同盟国に蹂躙され、さらには内乱状態になります。その中で、遠州頭陀寺城は焼かれ、家康の元へ逃げ落ちます。
その後、長浜城主になった秀吉は、松下源太左衛門長則の嫡男で、当時当主だった之綱主従を保護し、大切に扱っています。
そのまま家臣になるのかなと思いきや、秀吉が亡くなると、さっさと松下之綱は家康の元へ戻ります。
秀吉は元々、今川家の家臣だったとしたらどうでしょう?
股者の松下家に出仕という形を取り、そこから桶狭間の戦い以前に織田家へ入り込んだとしたら?
目立たないように気を配りつつ、色んな武将たちに取り入っていたら、桶狭間で義元が亡くなり、今川家よりも織田家が勃興していった。
そこで、隠す必要はないと実力を示していった。
そして、唯一自分の本当の姿を知っている松下之綱を手元に置いて監視をしていた。
秀吉には信長公に対する忠義心はありませんから、光秀を操った。
秀吉は卑賤の出ではあり得ない程、禁裏でも絶大な人気を誇っていました。
それらを背にした権威と巧みな人心掌握術を持った秀吉。
そんな秀吉には、猜疑心が強く賢い光秀を唆すのは、反対に、案外容易い事だったのではないでしょうか。
あるいは、こんなのはどうでしょう?
松平宗家は、当主が亡くなり、次の当主である元康を通例ならば返して貰えるはずなのに、証人のまま、今川家に留め置かれ、今川家に収入の大半を搾取されながらも非常に粘り強く、元康の帰還を信じて待ち続けた忠義心の厚い家臣団が護っていました。
もし、松平宗家家臣団が放った手の1つが、秀吉だとしたら?
秀吉は、家康と縁戚関係にありますから、そういう話になってもおかしくありません。
あれは、一つの計略だったとしたらどうでしょう?
今川と織田は常にいがみ合っていました。そして、いつか決戦の日が来るはずだ。
その時の為に、秀吉は送り込まれます。
秀吉は「追い出される」形で、青木氏や大河内系津島大橋氏、はたまた関氏を頼り尾張に戻り、その紹介で信長公に出仕したとしたら?
近年、家康は桶狭間の直後から、信長公との同盟を模索して動いていたことが、分かっています。
更にいえば、家康の桶狭間の直前、直後の行動は、水野家を通じて、信長公と内通していたとしてもおかしくありません。
プロパガンダの得意な秀吉は、織田家で松平家と誼を通じる機運を高める噂を、流していたかもしれません。
そして、国衆レベルまで落ち込んでいた松平家の家格を高める為に、登り調子にある織田家を後ろ盾にすることは、とても重要でした。
その織田家は、信長公の一存で全てが決まる形でしたので、常に意向を伺い、松平家に好意を向けて貰う必要がありました。
そのため、慎重な家康が、ただの取次を挟んだ関係では不安を感じていたとしたら?
天下取りの道を走る織田家で、有能な秀吉は出世していきます。
出世し過ぎて、もう信長公の側にはいません。宿老として、独立した部隊を率いて各地を転戦していっています。そればかりか、なんだか徳川家のことを、忘れたようです。
少し織田家の力を削いで、信忠に移譲させてはどうだろう。
勿論秀吉主導で。
そうすれば、主君を討つという大逆を犯した秀吉を裏から操り続けられる。
ところか秀吉は、それを光秀に振り分けた。
或いは、美濃を餌に斉藤利三と計って、光秀のふりをした間者を送り込んだ。
うまく行ってると思ったら、肝心の信忠まで、殺してしまった。
秀吉が天下を握る為に。
秀吉の隙の無さ、冷静さは、確実に偽ったプロのそれのような気がしませんか?
そして天下を取った後の、自らの経歴詐称や家康が念入りに自分との関係を隠そうとしていたのも。
まさか天下を取るとは、本人も周りも思わなかったでしょう。
天正大地震で詰めが甘かったのも。
証人の秀忠にやたら甘かったのも。
必要以上に家康を恐れていたのも。
私は、秀吉は松平家の家臣だったと考えたら面白いなぁと思います。
忍んだ家臣が天下を取り、難波の夢と消えた。
徒夢の天下は、光秀の三日天下よりも、哀れで儚い気がします。
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