信長公に出仕できるかな? 侍になる!
戦国転生モノとして大人気な信長公ですが、その一因に珍しいもの好きですぐ雇って貰えそう!能力さえ示せば、立身出世させて貰えそう!というものがあると思います。
最晩年に召し抱えた黒人、弥助のイメージが強いですよね。
実際に士分以外から取り立てられ、立身出世出来たのはどれくらいいたのでしょうか。
永禄11年(1568)9月26日、足利将軍を推戴しての上洛前後の家臣団から見て見ましょう。
まず有名なのは、秀吉、秀長の木下兄弟ですね。
元々織田家の足軽兵だったという話もありますが、それにしても足軽からの宿老、そして天下人というのは並並ならぬ人物です。
秀吉の初出は永禄四年(1561)八月、おねさんとの婚姻に関する記事です。
文書による初見は、永禄八年(1565)十一月の坪内利定宛の信長公の宛行状の添状の発給で、上洛前には既に宿老クラスと肩を並べる程に出世していることが確認されています。
秀長も長く兄の陰に隠れていましたが、信長公の晩年には、兄から離れて直臣として重用された形跡が残っています。
信長公の最晩年には、播磨攻め、中国攻めと秀吉に準じていますが、一旦落ち着いたら…と妄想が膨らみます。
後に清須城代になる埴原次郎右衛門常安は、巡礼からの出世です。
彼は信濃、或いは甲斐出身の巡礼であったことは、広く知られていたようで、当時の公家の日記や他家の軍記にもその記事が散見されます。
初見は永禄十一年(1568)十一月の宛行状です。
例の清洲会議で、立会人として名前が残っています。
信長の側近松井友閑は、清須時代の信長の幸若舞のお師匠さんからの召し抱えと言われています。
初出は永禄十二年(1569)五月、京都で丹羽五郎左衛門と名器の召し上げをさせられています。文書による初見は同年十一月、寺領での違法な取り立ての調査で、それの検分の間税を一旦保管する旨の書状に名を連ねています。
後年、顔に腫れ物ができた友閑を心配して、「西洋外科医、早よ!」と信長公が伴天連達に催促し、大騒ぎしているのが、印象的な松井友閑さんです。
また相撲取りを召し抱えたのも有名です。
しかし、煩雑になりますので、一々名前をあげませんが、実際に士分として活躍したのは、元から士分の者だけだった様です。
(興味のある方は、織田信長家臣人名辞典を参照下さい)
名前が残る以前で死んじゃった人もいるかも知れませんが、とりあえずは四人しかいません。
これは中々狭き道です。
埴原常安以外は、士分に取り立てられるまで、信長公がじっくりと人となりを検分する時間がありました。
埴原さんは、資料が残っていませんので分かりません。
しかし、埴原さんの息子は、実は信長公の隠し子だという説も有ります。
信長公が14、5歳の頃、信長公の子を妊娠中のお手つき侍女が埴原さんに与えられたという話です。
そうすると、那古野時代、信秀生前には出仕していたはずで、相当古いおつきあいですね。
次期当主の若様の落とし胤を預ける程、織田家から信用をされていたというのは、その人物に感服した信秀や、平手の爺やが出仕を勧めたのかもしれませんね。
最古の家臣の1人だったようです。
なかなか妄想が膨らみますね。
という事で、上洛前後の士分以外からの立身出世は、万分の1程度のかなり狭き門ということになります。
紹介状を誰かに貰うか、じっくり腰を据えて人柄を見極めて貰わないと、弾正忠家の貴公子には雇って貰えそうにありません。
万一、転生した時には腰を据えて頑張らないといけませんね。
さて、上洛後の士分じゃない身分からの、と言いますと...
これは圧倒的に商人からの出仕に変わってきます。
千利休などの堺の商人ですね。
どちらかと言えば、軍事ではなく、公家や大名家などの付き合いの采配や、家臣の教化目的ではないでしょうか。
商人から言いますと、織田家の中で立身出世しようというより、自分の商いを有利に進める為のような感じです。
尚、戦になった場合は兵站担当になりますね。
また、例えば謙信と信玄の大戦のような長期戦の時には、陣に物売りにいって細作の役目を担ったりします。
中には普通に参戦したり、巻き込まれて、死んだりしますので、用心が必要ですね。
上洛後は商人をまず目指したいものです。
わらしべ長者のように、無からのし上がって、ある程度成功してから出ないと、信長公とはお付き合い出来そうにないので、頑張りたいですね。
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