第45話 登場人物紹介&これまでのあらすじ



・人物辞典として。

・お暇なときに。


◯登場人物の紹介


雪花シュエホア…ヒロイン。年齢は30才過ぎ。今は15才くらい?中国人の母とイタリア系フランス人の父を持つ。職業は作家で売れない。しかし、美術のエッセイは面白いと好評。性格はわりと天然。特技は古箏と槍の演舞。

実は日本のアニメが好きらしい。

癖毛で赤みが強い髪が悩み。

呪われた槍!?紅線こうせんの十三人目の主。後のトクトアの寵姫、湘夫人。


♂トクトア…バヤンの甥で跡継ぎがいないため養子になっている。栗色の髪の美男子でかなりの女たらしだが、それはある理由の為とか…

眉目秀麗、文武両道、おまけに芸術にも秀でているなんて、まさに絵にかいた様な貴公子。

師は儒学者で漢人、呉 直方。

バヤンから処女殺し、とからかわれている。


♂バヤン…トクトアの伯父で雪花の養父でもある。

歩く彫像と称される程に、素晴らしい肉体美が自慢。亡くなった妻を一途に愛し続ける人。

わりと大雑把な所もあるが、侮るなかれ、戦となれば冷酷非情の殺戮者に変わる。

その反面、情に厚く、受けた恩は必ず返すという律儀な所も。彼の漢人嫌いは誰もが知るところだが、実は隠れて『孫子兵法』や『韓非子』などを愛読。中華料理が好き。

霊感と自分の直感を大切にしているが、後年ある占い師の言葉を真に受けて、とんでもないことを実行しようとする。


♀サラーナ姫…バヤンの亡き妻。

優しく美しく、トクトアの理想とする貴婦人で、箏の名手であった。

夢の中で、雪花に自分の箏を託した。



♂執事トゥムル…ムードメーカー的な存在。かなりお茶目な人。

実は弓の名手。他にもいろいろ特技があるらしい。

彼の初めての失敗は、雪花とトクトアの初夜の晩に、邪魔になるくらいいろんな縁起物を枕辺に並べまくって二人を唖然とさせたことくらいだろうか。


♀ユファ…高麗人。貢女として連れてこられた少女。病の為、厳しいとされる宮女の選別から外れ、宮殿から追い出され、色街に連れていかれる途中で高熱に倒れたところをトクトアに助けられて侍女に。

シュエホアを姉のように慕っている。


♀ハイラン…勝ち気な娘。モンゴル人の父と漢人の母を持つ混血。トクトアに〈賑やかなカケス娘〉と言われるくらい、かしましい!?

本人はそう呼ばれるのは不服らしく〈福を呼ぶカササギ娘〉だと言い張ったらしい。どちらもカラス科の鳥だな。


♀ナルス…侍女を監督している。宮殿の行儀作法や婦人の礼法にも詳しい。

バヤンに頼まれ、雪花を立派な貴婦人に育てることを目標にしている。


♂アルタン・スフ…通称金さん。

 容姿がムングと似ている為、兄弟と勘違いされている。バヤンとトクトアに仕えているが、雪花の護衛も務めている。


♂ムング・スフ…通称銀さん。

 アルタンと雰囲気も似ている為、兄弟と勘違いされている。しかし、これは運命かも、と思っている。共に護衛を務めている。



◯バヤンの屋敷の家人達(物語を支える大切な裏方。同じ名前の人がいるけど、気にしないでね)


♂フルルトゴー…料理番。ほとんど出番ないけど実は活躍してるよ。


♂フレル…馬丁。馬をこよなく愛する人。


♂ボルド…馬丁。フレルの弟。


♂ロー…トゥムルのように立派な執事になりたいと思っている。


♂ナラン…若い庭師。夢は見たこもない花の世話をすること。


♀侍女さん達…実は何人いるか分からない。



◯自分達こそが一番イケている!勘違いの超がつくおぼっちゃま!花のケシク四人組


♂ジョチ…薬用ビュー◯君みたいな癒し系の貴公子。黒髪ショートが似合うナチュラルな美男子。雪花が親衛軍に入った時、何かと世話を焼く。運命の〈白馬の貴公子〉かと思われたが……


♂ボアル…フワフワサラサラのカシミア系みたいな貴公子。 最近、西域からきた美容染料で髪を染めることに凝っている。


♂シバン…ややナルシスト系の貴公子。

一見チャラ男っぽいが、男気のある、組のリーダー的な存在。

超ストレート黒髪ポニーテールが自慢。


♂オルダ…外ハネショートカットが似合う、甘えん坊の、子犬系貴公子。

眉毛の手入れを少しでもサボると八の字になるのが悩み。



 

◯大都の人々


♂エル・テムル丞相…還暦を過ぎたが、益々元気な老宰相。趣味が舞踊と狩。

上都派のダウラト・シャーとは仲が悪く「いい歳してカッコ付けるな!筋肉馬鹿のクソジジイ!」「何を!踊ったままあの世へ行け!頭がお祭りクソジジイ!」と、出会う度に悪口を言い合うらしい。

 知略に優れ、トク・テムルを皇帝に擁立する。


♂タンギス…エル・テムルの長子。

父を尊敬しており、次の丞相は勿論自分がなると思っている。

バヤンをライバル視し牽制する。

超美少女・我儘な妹のダナシリ(まだ出番なし)に弱い。


♂タラハイ…エル・テムルの次子。

怒ると手が付けられない兄に困惑。でも兄といるのが好き。

波打つ様な、豊かな黒髪の美男だが、無類の女好きで贅を好む。後に雪花に目を付け、その尻を追いかけ回して迷惑がられる。

自分より女にモテるトクトアに激しい敵対心を抱いている。



♂皇帝トク・テムル…第九代目のハーン。(あれ?八代目は?)

生母がコンギラート族ではなかったことが理由で、祖母の皇太后ダギやその臣下に疎まれ配流に。自分を皇帝に立てたエル・テムルを父のように慕う。

兄がいるが、別の地に配流となっている。


♂名匠…知る人のみぞ知る、という隠れた刀匠。名は尭舜というが、本当かどうか疑わしい。

とても無愛想だが、それは男にだけ、ということが判明。権力を嫌い、丞相の息子達に茶の代わりに桶の水をそのまま飲ませていた。槍の名手で雪花に教える。


飛燕フェイイェン…大都一の妓楼紅閣楼の妓女。

大都一の美女と言われ、その舞は、空を飛ぶ燕の如し、と称される。古琴が得意。トクトアを慕っている。


小芳シャオファン(故人)…占い師、書籍店主。

 昔に働いた悪事と罪の意識に苛まされる日々を送っていたが、雪花の〈清らかな魂〉を守る為、自らの命と引き換えに、謎の使い魔〈黒く地を這うモノ〉を浄化した。

蘇州に師匠がいる。



◯上都の人々


♂ダウラト・シャー…上都派の色目人(ムスリム人)官僚。

丞相の座に就き、第六代目大ハーン、イェスン・テムルに仕えていた。皇帝の恩に報いる為、遺児アリギバを大ハーンにする。趣味は筋トレ。

 自身も宴会芸でその肉体美を披露するらしい。


♂皇太子アリギバ…第七代目大ハーン。少女ように美しい皇子。

宴会芸で、ブーメランパンツ一丁のマッチョのボディービルダー集団の姿を見て、キャッキャと喜ぶ。

トクトア曰く、「殿下の将来が不安…」


♀母后バブカン…代々后妃を輩するコンギラート族出身。若く美しい未亡人。


♀スレン…上都の宮廷の女官長。

地味な色あいの服を着て、堅苦しい印象を与える女性。二十も歳下のトクトアに恋心を抱いてしまう。



◯出番まだの人


賈魯かろ…漢人。上都の門衛をしていたドジョウ髭の人。

後に大都でトクトアと再会。部下になり、歴史書の編纂、黄河の改修工事を行う。


♂淮王 テムル・ブカ

フビライ・ハーンの孫。

大都派対上都派の戦いに参戦する。人格者で、武将としての才能もある。晩年、紅巾の乱に参戦。

 その時の年齢がなんと、八十才は過ぎていたというから凄い。



◯旅をする者


♂ナンジャーラ・カンジャーラ舞踊団のムハンマド・ナンジャラ・カンジャラ…座長。

 優しく舞踊団の団員達からの信頼が厚い。旅の途中でトクトアと知り合い、夢である大都宮城での公演を条件に、トクトアが上都から出る為の手助けをする。


♀魅惑の美女?達…ベリーダンスが得意な舞姫達。陽気で明るい。


♂謎の隊商…何処の国からやって来るのか不明のキャラバン。

 何人いるかも不明。変な歌?を歌いなが駱駝と共に旅をしている。神出鬼没で、試験の時期になるとわざわざ試験会場の前を通るので、学生達から政府が放った〈科挙を邪魔する刺客〉と噂されている。

レギュラーの座を狙っている?のか、たまに思わぬ所で遭遇することも。大活躍をするかもね。



◯死神と女神


♂死神陛下…偉大な皇帝、始皇帝であったが、生前の罪を償う為に死神になった。

小芳に頼まれ、仕方なしにメッセンジャーに。

雪花がこの時代に来た理由と身体の変化の謎を知る人物。よく時路宮の門を使って時間を旅行するが、門が壊れてしまった為、この時代に足止めされてしまう。

 現在、門を壊した犯人を捜索中。女好き。


♂ウラド三世…死神。生前はルーマニアのワラキア公国を支配。

 敵国からツェペシュ(串刺し公)と恐れられていた。金褐色の髪に碧眼の美男子。この時代に仕事で出張に来ていたが、門が壊れたので足止めされてしまう。


時路宮姫ときじくひめ…歴史を見守る女神で時路宮の門の番人。 歴史を変える目的で門をくぐる者、故意にくぐる者は容赦なく死を賜るという。

しかし、姫自身かなりの気まぐれで、仲良しの死神陛下などは顔パスで通している。

雪花には温情を示し、命は奪わなかった。黄色の物が好きらしい。


◯また再出演の人!?


♂️張さん

開封の官吏。漢人。バヤンの下で働く気の毒な人。実は有能な人物だが、バヤンを必要以上に恐れる余り、本来の力を発揮出来ないでいる。

 いつもブカブカの官服を来ているので、バヤンから〈ぶかぶか君〉というあだ名を付けられている。

サイズに合った服を着ればいいのだが。


◯謎の者

時路宮の門を壊した謎の人物。

雪花をこの世界へ連れて来た張本人。いったい、何の目的で雪花を連れて来たのかは不明。

黒い地を這うモノを使役して、小芳を言葉巧みに誘惑したが失敗。これも作戦か!?

現在は指名手配中で、姿は見せていない。

しかし、あることがきっかけで再び現れる。その姿とは。




☆これまでのあらすじ


30才を過ぎた雪花は恋も仕事も上手くいかなかった。

でも、心の何処かで〈白馬の貴公子〉に出会うのを期待している。


新境地を切り開く為にと、出版された本は失敗に終わり、失意に暮れる。

一番悲しかったのは相棒と思っていた、秘書に去られたことだった。

実家に帰った雪花は、近所に住む世話好きのおばさんに、強引に見合いを進められて相手と合うことに。


約束の時間まで間があったので、指定場所のK宮博物院の特別展を父と鑑賞する。

雪花は、元朝の美術品に深い感銘を受けた。

蛮族と思われていた、古モンゴル人が他国の文化や風習を積極的に取り入れて、華麗で豊かな生活を営んでいたことを知る。

とある金の指輪の展示ケースの前にいると、美しい男性と目が合い、胸をときめかすが、ただ見ていただけ……


気に入らないお見合い相手に連れられて、見晴らしの良い場所に行く。そこは断崖絶壁。

設置された手すりが彼女に悲劇をもたらした。

なんと、手すりが老朽化により腐り落ち、雪花は、手すり諸とも絶壁から落下してしまう。

後にこれは自分を狙う者の仕業であると知るが、今は落下、落下、落下。


長い落下時に、十四世紀の時代へタイムワープしたらしい。

 なんと身体にも変化が起こり、驚くべきことに容姿が10代の少女に戻る。鏡を見るまでは、そのことに全く気付かない。

 

崖から河に落ちる途中で、一旦虎の背中に落ち、その後は一緒に仲良く水の中に落ちる。

雪花は必死で身体を動かし、岸辺までたどり着こうと泳ぐが、自分に声を掛ける「そこは浅いぞ!」の言葉に反応。もう大丈夫なんだと安心する。

しかし、川からなかなか這い上がれず、結局〈声の人〉に助けてもらう。

助かったことに、嬉しさの余り泣き出す雪花。

声の主は世にも美しい貴公子。

彼はトクトアと名乗り、親切にも自分が住む屋敷へ雪花を連れて行き、雪花を命の恩人として厚待遇のもてなしをする。

彼の伯父のバヤンは、雪花を気に入り、ちー坊と名付けて可愛がるようになる。


大都は豊かな湖水の都。

おとぎのように美しい都だった。

また海運によって富を築いた都ということもあって、湖には、毎日異国からの積み荷を運ぶ沢山の河船が、港がある天津から運河を遡って往き来していた。

その多さに雪花は驚く。

雪花はこの時代に馴染むようになるが、現代に戻る為の方法を探すのは諦めなかった。

すぐさま行動を開始する。そして自分が未来から来たことを言い当てる人物、小芳シャオファンと出会うが、彼女は不気味な使い魔〈黒い地を這うモノ〉を自分の身を犠牲にして浄化。絶命してしまう。

希望をなくして落ち込むが、夢で始皇帝を名乗る死神に出会い、小芳の過去と苦悩を知る。小芳の最期を聞き涙を流す雪花だったが、同時に自分の魂を狙う者の存在を知り戦慄する。

死神陛下は雪花に、身体の謎と、帰る道となる時路宮ときじくの門の事を話すが、壊れた門の修繕が済み、開くのは三年後だと話す。

雪花は、門の番人である時路宮姫ときじくひめの温情に感謝して待つことにする。

なぜなら時路宮の門は、故意にくぐり抜けることは御法度。


雪花は次第にトクトアを意識し始める。一旦は年下だからと思いを否定する。

そんなことを知ってか知らずか、トクトアは、雪花を困惑させる様な行動をしては楽しんでいた。

雪花は、兄妹のじゃれ合いみたいなものと思い込む。


雪花は歴史を学ぶが、世間は大都派と上都派に分かれていることを知り、不安を覚える。

そんな不安定な情勢の最中、トクトアは皇太子に会うために上都へ旅立つ。

いつも側にいたトクトアがいなくなったことで、雪花は寂しさと、彼への思いが恋だと気付くが……



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