第4話 真実

聴き慣れた音楽が聴こえる。

いつも起きる時間にスマホから流れる音楽だ。


「ん~?あれ?夢、だったのかな?」


机で寝てしまったようだ。

ヘッドホンを耳にかけたまま右手でスマホを握りしめていたせいで右腕がしびれている。


「あ~いたたたたたぁ。はぁ~それにしても気味が悪い夢だったなぁ。あっ!のんびりしていられないんだった!早く出かける準備しなくちゃ!」


いつもと変わらず、トイレを済ませ洗面台で顔を洗う。

自分の顔を鏡でまじまじと見ながら「俺が特殊能力保持者?なわけないよな」と苦笑いをした。



それから数十年がたち、不思議な夢の事などすっかり忘れていた。


自分の死期が間近に迫っていた。病院で死を待つばかりだ。


突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。

『この日を待っていましたよ』と。

この声は…そうだ!夢の中で聞いた声に間違いない。


「どういう事だ」と、か細い声で聞くと『あなたはもうすぐ息絶える。その前に今入っている普通の眼球とあなた自身の眼球を元に戻さないといけないのです。レンタル品ですからね』と言ってきた。


まっまさか、夢だと思っていた事は実際起きていたのか!

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ある朝、いつもの道で 樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須 @ituki505

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