第3話 正体

「聞こえます」と頑張って声を出してみると耳元から自分の声がちゃんと聞こえてきた。


疑問に思っていた事を聞いてみた。

「あなたは何者ですか?目的はなんですか?」と。


すると『自分の特殊能力に気付いていないのですか?お気楽なものですね?あなたは日本に留まらず世界から狙われてもおかしくないほどの特殊能力保持者なのですよ?』と耳元から声が聞こえてきた。


「そんなまさか」とボソっと呟いた。


『身に覚えは無いのですか?』と続けざまに聞いてきた。


う~ん。今思い返してみると確かに不思議な事があったような。

すれ違う車の影が異様に長かったり、影が変な形に見えたり。

光の当たり具合でそう見えるだけだろうと気にもとめていなかったがその事だろうか。

そんな事を考えているとまた声が聞こえてきた。


『あなたの目は人の死期が見える特殊な能力があるのですよ。あなたの目を利用しようと悪い連中が今まで近付かなかったなんて信じられません。よく今までご無事でしたね』と感心した様子だ。


さらに『今後あなたの目が悪用されないように、あなたの目を通常に戻す事が目的です。寝ている間に終わりますから痛みは感じません。ご心配なく』と聞こえてきたが、その後声が徐々に小さくなっていって、いつの間にか意識を失ってしまっていた。

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