第2話 拘束

意識がだんだんとハッキリしてきた。

道をふさいでいたあの車で連れて来られたのだろうか。


よしっ、まずは気持ちを落ち着かせて、と。ふー(息を吐き出す感じで)

それじゃあ次は、今の状況を把握する為に客観視してみよう。


視界は?…完全にさえぎられていて何も見えない。


音は?…ヘッドホンのようなものを装着されているようだ。耳には圧迫感と無音が響いている。

声を出してみようと思い、声を出しているつもりだがヘッドホンのようなもので遮音されていて声が出ているのか分からない。


ニオイは?カビ臭いとか消毒のニオイとかは無いだろうか?…クンクンクン(ニオイをかいでる感じで)うーん。これといって何もしない、無臭だ。


頭には何かをかぶらされているようなズッシリと重さを感じる。


イスのような所に座らされているようだ。背中とお尻に少し硬めのものが接触している感覚がある。


全ての指先を何かに挟まれているようだ。指先が徐々にしびれてきている。


右腕は伸ばされた状態で固定され、点滴でもされているようだ。


しばらくすると、あの車の運転席にいた人の声と同じ声が耳元から聞こえてきた。

『私の声が聞こえますか?』と。

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