第18話 千利休と高遊外売茶翁

 さて続きましては、日本茶を調べて行けば行き着く高名な茶人、その二人にスポットを当ててみようと思います。なるべく噛み砕いて簡単に解説しますので、詳しく知りたい方々は自力でなんとかお願い致します。





 まずは『千利休せんのりきゅう』から。


 抹茶を使っておもてなしの表現を表した人で、戦国時代の茶人。織田信長や豊臣秀吉に仕えた人でもあります。


 茶室を構え・そこに至る庭を整え・花を生けて・掛け軸をかけ・茶室に道具を持って入り・抹茶を点ててご馳走し・道具を拝見し・ご挨拶をしてお見送りをする。一連の所作に『わび・さび』などの概念を込めた人物であります。それが後の茶道(表千家・裏千家などなど)に引き継がれる事になります。


 また使う道具類を簡素化し、実用的なものだけにした事も、ひとつの功績でもあります。シンプルかつスマートな道具類は、「利休◯◯」と呼ばれるようになり、いまだにそれらは使われております。現代のミニマリストに通じる所がありますね。





 続いては『高遊外売茶翁こうゆうがいばいさおう』です。


 こちらは江戸時代のお坊さん。


 煎茶が発展してきた時代に、茶道具一式を担いで様々な所を巡り、道端で茶を淹れてご馳走し、日々の悩み・愚痴から禅問答に至るまで、さまざまな会話を交わし、自分も相手も魂を磨く修行とした人です。今で言う、カウンセラーみたいな人だったようです。


「茶銭は、黄金百溢おうごんひゃくいつより半文銭はんもんせんまでくれ次第。ただ飲みも勝手。ただよりはまけ申さず」

 お金にも執着しなかったそうです。そのため、死後に自分の道具類が高値で取引されるのを憂慮し、すべて壊してしまったという逸話もあるそうな。





 お茶に関わる人たちというのも、調べてみるとさまざまな方々がおります。名の知れた茶人から記録にすら残っていない農家まで。色々です。


 お茶を召し上がる時にでも、そういった歴史の中の方々を思い起こさせるのもよろしいかと。


 ちょっとした豆知識になりますよ。

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