第5話 抹茶とは

 『Japanese green tea』と言えば、この『抹茶』を指すほどになっているくらいですからね。


 そんな訳で、今回のお話はお抹茶です。流派や所作などには触れず、純粋にお茶に関してのみ語りますので、そこまで敷居は高くないですよ。





 まず抹茶とはですが、栽培も特殊で、その製法は二段階に別れます。


 栽培は玉露でもお話した、茶樹に遮光シートを被せて日光の大半を遮断する栽培方法を取ります。これにより、より緑々しい茶葉になります。


 そこから収穫し、蒸して酸化酵素を止めるまでは同じですが、その後は『揉む』という工程をしません。揉まずにそのまま乾燥させます。こうして作られたお茶を『碾茶てんちゃ』と呼びます。ここまでで第一段階。


 その碾茶を石臼で挽いて粉末にします。ここで第二段階。


 この二段階を経て、抹茶となる訳です。昔は密閉容器による保存が不十分でしたので、碾茶の段階で保存をし、飲む分だけ当日に挽いて抹茶に仕立てたというお話です。





 抹茶の利点は、粉末に加工してある事です。そのままお湯に溶かして飲むので、茶葉に含まれている成分すべてが摂取できます。特にカテキン類は、普通の煎茶ですと60%程度しか抽出されないのに対し、抹茶はほぼ100%飲める訳です。


 それに通常では飲めない食物繊維も、しっかり摂取できる訳です。利点はかなりあります。


 難点は、玉露と同じく覆いの下で栽培して成分を濃く蓄えさせるため、カフェインなどの成分も濃くなってしまう事でしょうか。人によっては強く影響を受けてしまう事も。





 飲み方は表千家・裏千家などの茶道の作法を考えなければ、普通にお湯や水に溶かすだけで、美味しく頂けます。ペットボトルに水を注いでそこに抹茶を入れてシェイクするだけ。日常使いするにも簡単かと。


 底に沈殿しやすいので、飲む時にしっかりシェイクするのがコツ、でしょうか。意外と美味しいですよ。





 さて蛇足になりますが、回転寿司のテーブルの上に、粉末のお茶があると思います。あれは煎茶や番茶などをミルで粉末状にしたモノで、『粉末茶』という分類になります。抹茶とは違うのです。


 抹茶よりも成分量は少ないですが、安く気軽に飲めるので、こちらもオススメです。


 敷居が高いと感じないで、お手軽に召し上がってみて下さい。


 

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