第4話 玉露とは

 「その味わい、まるでたまつゆのようだ…」と評された所から、『玉露ぎょくろ』と名付けられたそうです。


 と言う事で、今回のお話では、『玉露』についてお話しようと思います。相変わらずの箸休め的なモノですので、ゆっくりお茶でも飲みながら読んでみて下さい。






 まず『玉露』と『煎茶』は違うの? という所からでしょう。その違いを比較しながらお話します。単にお値段が高いだけではないのですよ。


 まずは栽培方法から違います。

 煎茶が普通に日光に当てて栽培されるのとは違い、玉露は『遮光シート』や『ムシロ』などで茶樹を覆って日光のほとんどを遮断して、栽培されます。そうする事により、より緑を強く・味わいを濃くさせるのです。


 そして蒸して・揉んで・乾燥させる。そこは煎茶と同じなんですが。

 煎茶の工程の大半は機械で行われるのに対し、玉露はその工程の大半が手作業で行われます。特に揉む工程は、通常の揉みに加えて『整揉せいじゅう』という、茶葉の形を整える揉みが入ります。これにより、茶葉の形は針のように細く尖った形になります。


 もちろん全ての玉露が整揉をする訳ではないですし、上級煎茶と呼ばれる分類に入る煎茶では、手揉みで整揉が行われるモノもあります。例外もありますのでご注意を。


 そうして出来上がった玉露は、茶葉も整っていて綺麗で、味わいも濃厚です。





 玉露の淹れ方ですが、分量は煎茶よりも少量で「お湯100cc/茶葉10g」くらいが目安で、さらに湯温と蒸らし時間が違ってきます。


 玉露は旨味成分が多い分、渋味苦味も強く出てしまうので、なるべく苦味渋味を出さないよう、低温で淹れるのが通常です。だいたい40〜60℃くらいが目安です。その温度で1〜2分蒸らすのが良いそうです。


 淹れ方としては、

●沸かしたお湯を茶碗→急須→湯冷ましなどに移し替えて行きます

●それを4〜5回繰り返したら湯温が下がりますので、茶葉を急須に入れ、冷ましたお湯を注ぎます

●蓋をして蒸らして茶碗に注ぎます


 コツとしては、焦らずゆっくり淹れる事でしょう。急須をゆすったりせず、じっくり成分が染み出るのを待ちましょう。


 召し上がる時は、少しずつ舌の上に乗せ、転がすように「きっする」と、より味わいがわかると思われます。鮮烈な「青旨み」が感じられると思います。


 日本茶の底力、是非味わってみて下さい。

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