翌朝、おじいちゃんが起きると、てっくんはいなくなっていました。てっくんのために敷いた布団はきれいなままです。おじいちゃんは布団を片付けて、いつものように仕事に行く支度をします。髭を剃って、顔を洗って、朝ご飯を食べました。仕事に行く前にテレビをつけると、朝のニュース番組がやっていました。


『先日、○△市の虐待事件で、意識不明の重体でした六歳の男の子の意識が、奇跡的に回復したという情報が今朝、寄せられました。つきましては……』


 おじいちゃんはそれを聞いて、表情を綻ばせました。そして、いつものように仕事に出かけていきました。帰りに新幹線のおもちゃでも買おうか、と思いながら。

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夏に思い出 @kaitoda222

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