第2夜、海辺に潜むもの

『この先、立ち入り禁止』『封』

そんな看板の立てられた海辺の洞窟がある岩場

そこに5人の若者が無断で遊んでいた


そんな若者たちは看板を無視して洞窟に入り

恐るべきものを目覚めさせてしまったのだった

____


数日後に公園

 「牛鬼の封印が解けた?」

私がそう聞くと

 「どうやら、何も知らない若者が封を破ってしまったようです」

 「今回の仕事は牛鬼の再封印、もしくは滅殺してください」


 「了解」

牛鬼…それは海辺の洞窟など棲み、若い女性を好んで喰らう妖怪

ずいぶん前に高僧が岩場の洞窟に封印したと卯月から聞いた


 「さてと、まずは服買いますか」


海辺の洞窟


鬼の頭に蜘蛛の脚に牛の胴体をもつ化け物

それが牛鬼である


 『オンナ、モット』


そこに一人の女性が牛鬼の洞窟に姿


 『ニンゲン、オンナァ』


バクッと女性を食べてしまった


 『クハハ』


「オンバキハラ、インダラハラ、オンダラバサラ、インダラハラ、オンバキハラ」

「来たれ、……の鍵よ、開け……の扉よ、こいっ」

牛鬼の身体から人の声がしたかと思うと

 『ギィヤアアア』

牛鬼の身体が黒い炎に包まれた



「その炎はアンタを焼き付くす、決して消えない」

そして跡形もなく消え失せたのだった


牛鬼の後ろから先ほどの女性が牛鬼に話かけている


「さてと」


女性のそばには犠牲者だった人が倒れていた

「これ…どうしよう」


____

次回『水虎』

河にある祠には水虎が眠るといわれる

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霊術士 @bilud4869

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