200ポイントで美少女の彼女
『俺の話を聞いてくれる彼女がほしい。どうせならば美少女がいいな』
『彼女のポイントは200ポイントですが、よろしいですか?』
館主がメッセージを送ってきた。
『彼女とポイントを交換するよ』
俺は、迷うことなく、ポイントを彼女に交換した。
翌日、俺好みの女の子が突然現れた。ロングヘアーの黒髪で、優しそうな美しい少女だった。歳は同じくらいに見えた。
「派遣された、かぐやです」
家の近くの公園のベンチで話をしてみた。かぐやは一生懸命話を聞いてくれた。彼女の相槌に救われた。
俺は久しぶりに幸福で満たされた。友達がいない俺に、はじめての友達ができたような気がした。
俺は身の上話を他人にはじめて語った。
「俺は、母子家庭で育って、裕福じゃないけれど、平凡に暮らしていた。
ガキの頃からいじめられっ子で、勉強も運動もできない。はっきり言ってとりえはない。
奨学金をもらって、地元のぱっとしない高校に進学したけれど、大学に行くほど頭もよくないし、就職活動も散々で、人生を否定された感じかな。
1年ほど前、唯一の身内である母親が死んでさ。わずかな貯金と親の入っていた保険でなんとか生活しているよ。
この先、仕事のあてもないし、奨学金は返せないかもしれない。人生の負け組だよ」
静かに、彼女は聞いてくれた。優しい声だった。
とはいっても、俺は誰かと比べられるほど女子と話したことはないけれど……。
「私も身内がいないから、わかります」
かぐやは答えた。
俺は彼女の領域に入らないように接していたので、彼女に色々なことを深く聞かないようにしていた。
しかし、俺は彼女がなぜ彼女という役割をしているのか、どの程度彼女としての行動をしてくれるのか、とても気になっていた。
でも、それを聞くこともできず、どうでもいい話をして帰る。そんな日が何日か続いた。女性に拒否されないという現実がとても充実していた。
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