第2話 学校

 俺は学校には基本的に自転車通学だ。自分のいつもの自転車を取りに行った。この自転車は自分の自慢の自転車だ。俺はバイト代を頑張って4ヶ月貯めて買ったロードバイクだ。乗り心地もよく、何より早い。ギアの変速は21段階ありスイスイと人を抜かせる。

 自転車置き場に行くと自転車がなかった。俺は一目散に家に帰り母さんに訊いた。

 「母さん。俺の自転車どこ?」

 「自転車?なんの話?」

 「なんのって、バイト代を貯めて買った自転車だよ。細いタイヤしてるやつ!」

 「バイトって、あんた働いたこともないでしょ!早くしないと本当に遅刻するわよ!もう、走りなさい!」

 俺は渋々家を出た。外は暗い。時計を見ると16時05分になっていた。俺は何も理解できず自暴自棄に走った。気づいたら学校だった。

 不思議だった。学校がこんな暗い時間に照明を全部つけて生徒がうじゃうじゃと動いているのが。俺はいつもの教室に向かった。5年2組。そう書いてあるはずのところが2組5年になっていた。なぜ逆なのだろうと思いつつ教室に入った。

 「おはようさっちゃん!」

 「おはよう」

 と、返した。こいつの名前が出てこない。なぜだ。てか、こいつの顔に見覚えが一切無い。このクラスの誰にも見覚えがない。だけど、なぜかクラス全員は俺の名前を知っている。

 16時28分。みんな着席し始めた。多分、担任が来るのだろう。

16時30分、授業が始まった。最初の科目は現代文だった。良かった、普通の科目だ。そう思った矢先、意味の分からん字が板書された。どう表せばいいのか。ゼルダで出てくるような字をどんどん書かれていた。言葉は通じるのに字が分からん。なぜだ。

 その日はあっという間に終わった。なにも理解できずに一日が終わった。

家に着いたのは6時35分だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

SA11 Plane Psycho @planepsycho

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る