第2話
————ピピピピ……
無機質な電子音を止めて、体を起こした。
そっか、もう実家じゃないんだ。お母さんもお父さんもいないんだ。
「よいっ、しょっと……」
布団をめくって立ち上がる。
顔を洗って、朝ごはんを食べた。
まだビニールがかかっている制服を身に纏う。
「うん!いい感じ」
鏡の前でくるくると回ってみる。この高校、制服可愛いんだよね。
————ピンポーン
インターホンが鳴った。
「………はい?」
こんな朝に誰だろうと恐る恐る出てみると、そこには坂本さんと氷室さん。
「モニカおはよー!」
私の顔を見るなり、坂本さんが抱きついてきた。
「お、おはようございます、坂本さん……」
「やだ、坂本さんなんて他人行儀ね。私のことは初音でいいわよ」
「え、」
いやいやいや。年上を下の名前で呼ぶことに気が引けるんですけど………。
「えっと……初音、さん」
「まぁ、仕方ないわね」
初音さんは若干不服そうな顔をしたけど、了承してくれた。
そういえば、初音さんも氷室さんも私と同じ制服を着ている。
「同じ高校……ですか?」
「あら、本当ね。目が行き届いていいわ」
そう言って初音さんはくすくす笑った。
「じゃぁ、お二人は先輩ですね」
「先輩!素敵な響きだわ!私も先輩って呼ばれる日が来たのね!」
初音さんが嬉しそうな声を上げる。対する氷室先輩は、楽しそうな初音さんを見て呆れたようにため息をついた。
「まぁ、精神年齢は初音の方が後輩だけどね」
「なんですって!」
SCHOOL HIGH TENSTION 藤代 一姫 @mmm_1528
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