39.アンナにお勉強を教えるのは……?

お父様曰く、私に勉強させたいのは我が国の貴族関連やら歴史、他国の簡単な知識を中心に教えていきたいとの事だった。と言うのも、まもなく開催される魔法学園交流会でその辺の知識を知っておく必要もあるだろうというお父様の考えもあっての事だった。

確かに、私はその辺の知識を学ぶよりも、アリーへの資金稼ぎに奮闘していたものね〜……けど、どうせなら領地経営とかを学んだ方がいいのでは?とお父様に言ったら……


「それは必要ないだろう」


と、アッサリと言われてしまった。いや……それが一番必要なはずなんだけど……何故……?


「それで……アンナにその勉強を教える者なんだが……」


うん。確かに問題はそこかもね。最近は家では私への対応が悪い従者は1人もいなくなったが、私に勉強を教えたがる必要が果たしているのかどうか……そんな事を考えていたら……


「お父様!その役目!この私にお任せくださいませ!」


と、アリーが挙手をして私の教育係に名乗りを上げてきた。


「いや!?待って待って!!?アリーは魔法学園交流会の代表に選ばれていて忙しいから無理でしょう!!?」


「大丈夫です!お姉様!魔法学園交流会よりもお姉様の方が大事ですわ!」


いや!?魔法学園交流会の方が大事ですよね!?そんな風に私がちょっと困っていると……


「あの……でしたら……私にお嬢様の勉強を任せていただけないでしょうか?私は元は貴族令嬢で、筋力トレーニング以外にもその辺りの勉強も教わってますから」


今度はメルルが名乗りを上げた。確かに、メルルは元は旧い名家出身の令嬢だ。メルルでも勉強を教えるぐらいは出来るはず……多分……恐らく……きっと……


「メルル。あなたはもっとメイドとして勉強で忙しいでしょ?だから、お姉様の事は私に任せてちょうだい」


「いいえ。アリーお嬢様こそ、魔法学園交流会でお忙しいんですから、お嬢様の事は私には任せてくださいませ」


2人とも微笑みながらそんな事を言う。けど、その目が笑ってないように見えるのは私だけだろうか……?



で、2人はお互いが私の勉強の面倒を見ると主張し譲らず、結局どうなったかと言うと……


「アンナお姉様♡この家は果物が盛んですの♡」


「ふむふむ……なるほど……」


私の勉強の面倒を見る役目はケインになった。流石は元は攻略対象。教え方はとても完璧で、私は短期間でかなりの知識を吸収することが出来た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

元悪役令嬢の姉は元ヒロインの妹を溺愛す 風間 シンヤ @kazamasinya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ