38.私がステインローズ家の後継者!?
それは突然の出来事だった。お父様が私達に用があるという事なので、私とアリーと私達の専属メイドは馬車に乗ってステインローズ家の屋敷に向かい、お父様の書斎まで行くと、そこにはお父様とお母様が私達を笑顔で出迎えてくれた。
「うむ。リリカルスクールの行事で色々忙しい所すまないな」
「いいえ。それで、お父様。お話とは何でしょうか?」
私がそう切り出すと、何故かお父様は渋い顔をされた。
「うむ……その……実はだな……私が引退したらステインローズ家の家督をアンナ。お前に譲ろうと思っている」
「ふえぇ!?私がですか!!?ケインじゃなくて!!?」
皆様忘れてる方もいるかもしれないが、私達には義弟のケインがいる。私達が王家に嫁ぐ形になるから、ケインを養子にしたはずなんだけど……そういえばあの事件の後、壊れた人形みたいになったケインはどこに……?
「うむ……実はそのケインなんだが……」
「やぁん♡アリーお姉様♡アンナお姉様♡お久しぶりですわぁん♡」
突然、書斎に入ってきたフリフリドレスを着た若干野太い声の見た目は多少美少女っぽい人物……もしかして……この子って……!?
「あの……すみません……つかぬ事をお伺いしますが……この子ってもしかして……」
「察しの通りケインよ」
お母様が軽く溜息をついてそう言った。って!?やっぱりか!?なまじイケメンだったから女装しても美少女になってて分かりづらかったけど!?って言うかどうしてこうなった!!?
「バカ皇子みたいな問題行為を起こさないように去勢に近い特訓をさせたら、何故かこんな事に……」
「私の事はケイちゃんって呼んでくださいね♡お姉様達♡」
脂汗をダラダラ流しながらそう説明するお父様。いや!?どんな特訓したんですか!?これは!!?
「故に、家督を継ぐ者が他にいなくなってしまってな……だから、アンナに家督を継いでもらいたいと思っている……」
「えっ?でも、継ぐならアリーの方が……」
「いや、残念ながらアリーは「魔法省」への入省が決まっている」
えっ!?そうなの!?いつのまにそんな話に!!?私は驚いてアリーの方を振り向くと、アリーはニッコリ笑って頷き
「ごめんなさい。お姉様。黙っているつもりではありませんでしたが、正式にちゃんと決まるまではと思いまして……」
うん。やっぱりうちの妹は絶好調に可愛い♡じゃないわね……詳しく話を聞いたら、ヴィオル様からお誘いをいただいたと話してくれたわ。でも、アリーが「魔法省」に入るからって何で家督を継げないのかしら?
「魔法省と家の事を両立するのは難しいからな。せっかく素晴らしい場所で働く事になったんだから、長く続けてもらいたいからな」
お父様が私の疑問に簡潔に説明してくれた。なるほどね〜。それは確かに私も同意だわ。アリーなら魔法省のトップになるのも夢じゃないしね!アリーが魔法省のトップに……楽しみだわぁ〜♡
「それで……アンナ。お前に家督を継いでもらう為の勉強をしてもらいたいんだが……」
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