第2話

放課後になり、僕は帰る準備をしていた。そんな時、晋助が声をかけてきた。


「今日、香織ちゃんの歓迎会やるつもりなんだけど、来ないか??」

「んー、僕は遠慮しとくよ。」

「そんな事言うなよー。香織ちゃん来て欲しいってきっと思ってるって。な?いいだろ??」


晋助に説得され、僕は渋々参加することになった。


今回の歓迎会に参加したのは、同じクラスの拓真(たくま)、航太(こうた)、大地(だいち)、晋助、僕、女子の志帆(しほ)、美月(みつき)、琴葉(ことは)、紗奈(さな)、そして佐久間さんだ。僕の通っている学校は1クラス20人くらいいるのだが、他の人達は何かと都合が悪かったようだ。この歓迎会に参加している人はみんな誰とでも仲良くなれる陽キャである。果たして、本当に来てよかったのだろうかと何度も考えた。


「それじゃ、今から香織ちゃんの歓迎会を始めまーす!」


仕切っているのは晋助だ。クラスの顔とも言われているのだから、当たり前だな。


「それじゃ…誠!」


急に呼ばれて驚いた。


「な、なに??」

「お前、乾杯の音頭とれ!」

「え、なんで僕が??」

「いいからいいから!」


半ば強引に乾杯の音頭をとることになった。まあ、頼まれたのだから仕方ないか。


「えー、それじゃ今日はとことん楽しみましょう。乾杯。」

「カンパーイ!」


そんなこんなで歓迎会が始まった。


「ねぇねぇ、香織ちゃんって前はどこに住んでたの??」

「ぶっちゃけ好きな人とかいる??」

「どうしてこっちに引っ越してきたの??」


早速質問攻めだ。佐久間さん大丈夫か??そう思っていたが、そんな心配もすぐになくなった。


「前は北海道に住んでいました。」

「今は特にいないですね。」

「お父さんの仕事の都合で。」


質問攻めされても淡々と答えていた。すごいなと感心していた時、ふと思った。(ん、待てよ?お父さんの仕事の都合でって…あの時感じたのはやっぱり気のせいだったのかな…そうだよな。なんてったって夢だもんな。僕は少しガッカリした。

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〜僕と彼女の記憶〜 @haru-s-l

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