050 見せむずと思ひけむやは…… 文法、句切れなし

――――――

  五月雨やみのつく


見せむずと 思ひけむやは 月の夜に 五月雨やみの 雲のむら消え


・みせんずと おもいけんやわ つきのよに さみだれやみの くものむらぎえ

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[通釈]

 五月雨のやんだ月夜を詠んだ歌

 浮雲は、その趣ある姿を見せようと思ったのだろうか、いや、そのようなことはなく、たまたまなのであろう、まあ、とにかくも、五月雨のやんだ月夜に、雲がまだらに消え残って、月に照らされながら趣深く浮かんでいるのが見えるよ。

(初句から第二句までは、挿入句。)


[補註]

・文法…初句「むず」→意志を表す。(助動詞「む」+格助詞「と」+サ変動詞「す」が変化して成立。)

・句切れなし。


―――――

見せむずと 思ひけむやは 月の夜に 五月雨やみの 雲のむら消え

―――――――



(令和元年六月十八日)(二〇一九年)(夏歌なつのうた

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