045 明くるより日の暮るるまで…… 掛詞、句切れなし、散文取り

――――――

  五月雨を


明くるより 日の暮るるまで ながめきと 人の聞きなば いかに思はむ


・あくるより ひのくるるまで ながめきと ひとのききなば いかにおもわん

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[通釈]

 五月雨を詠んだ歌

 夜の明けてから日の暮れるまで長雨を、物思いにふけりながらずっと眺めていた、ということを人が聞いたら、その聞いた人はどう思うであろうか。心の中で暇人とでも言い放って、そして、陰に回ってそしるであろうか。


[補註]

・掛詞…第三句「ながめ」→「長雨」と「眺め」。

・句切れなし。


―――――

明くるより 日の暮るるまで ながめきと 人の聞きなば いかに思はむ

―――――――


[散文取り]

 鈴木由次『文法全解 更級日記』旺文社「二〇、父との別れ」



(令和元年七月九日)(二〇一九年)(夏歌なつのうた

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