エピローグ
和伸さんと結婚してから1年が経った。
“青天目”から“峯岸”に姓が変わり、私は本当の意味で峯岸家の一員になった。
「ただいま、舞」
「お帰りなさい、和伸さん」
仕事から帰ってきた和伸さんを玄関まで迎えに行った。
彼の手からカバンを受け取ると、一緒にリビングへと足を向かわせた。
「おーっ、美味しそうだな」
テーブルのうえに並んでいる夕飯に、和伸さんは嬉しそうに声をあげた。
今日の夕飯は五目炊き込みご飯とアスパラの肉巻きとグリーンサラダ、たまごスープである。
和伸さんが着替えを済ませると、向かいあうようにして椅子に腰を下ろした。
「いただきまーす」
両手をあわせると、一緒に食べ始めた。
「美味い!」
美味しそうに頬張っている和伸さんに、私は嬉しくなった。
明日も明後日も、ずっとずっとその先も、美味しそうにご飯を食べている彼の顔を見たいと思うのはいつものことだ。
でも、今日はちょっと違うんだ。
「和伸さん」
「んっ?」
「あのね…」
話を続けた私に、和伸さんは驚いたと言うように目を大きく見開いた…だけども、すぐに笑顔を浮かべた。
「やったな!」
和伸さんは茶碗と箸を置いて椅子から腰をあげると、私を抱きしめた。
それに答えるように、私はその背中に両手を回した。
☆★END☆★
MIDAS TOUCH 名古屋ゆりあ @yuriarhythm0214
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