『Re:rights』VS『Universal Soldier』③

一発の銃声が葉が揺れる音に混じって響き渡る。

同時にマップには銃声がした場所に赤いマークが表示され敵から丸分かりの状態

体力はゲージは残り少なく相手に不意打ちをされ銃弾が急所を外れたとしても致命傷となる可能性は高い。

誰しもがその場所から離れようとするだろう、しかしそこに立っていた人物は手に持ったハンドガンで敵を迎え撃とうと微動だにしなかった。

その絶好のチャンスを敵はもちろん逃さない、突っ立っている姿を見ると物音を立てないように背後に回り込み動かないその人物に向かってアサルトライフルの銃口を向けた。

「もらった」

自分自身でも気づかないうちに独り言を呟くと同時に指先で引き金を引いた。それと同時に破裂音を伴って放たれた銃弾は正確に急所である頭に向かって発射された。

至近距離からのヘッドショット、敵はこちらを見ていないということで相手からは完全な死角。つまり避けるのは不可能

「内海後ろだ!」

銃声と共に目の前に立つ人物が叫ぶ、と同時に体を捻りアサルトライフルの銃弾を華麗に避ける。

その動きはまるで自身の動きを全部見ていたかのように放たれた銃弾を全て避けた。

「…」

そんな、ありえない。この至近距離、完全なる死角。銃口さえ見ないで弾を避けるなんてそんな事、出来るわけがなかった。

しかし、目の前の人物が自身の銃弾を避けたのは事実だ、自分の目は確かにそれを見た。それじゃあ今目の前で起こったのは、偶然、いや偶然でもそんな芸当出来るわけ。しかしそこで一つの考えが脳裏によぎった。

相手はあの『Re:rights』なのだと

その瞬間、頭上から降り注ぐ刺客に気づいたときにはもう遅かった。

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『Re:rights』 ゆずこしょう @si-na_natsu

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