ぼくの一方的な片想い

ヤドリギ

別れ

君の絵は実写的

まるで写真のよう繊細で上等だから

ぼくはいつも君が席を立った隙に

B4の鉛筆でその絵の端に薄く詩を綴る。

けれども君はひと息に読み上げ

柔らかい消しゴムでぼくの詩を消してしまう。

それは、ぼくの恋文なのに

それは、ぼくの恋文なのに


君はぼくのそばから離れない癖に

そうやって消しカスにしてしまうんだ。


なかったことにしてしまうんだ。


ある日きみはぼくの詩を消さなかった

それはぼくからのさよならの詩だったんだ。


君は優しく微笑んで席を立ったんだ。

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ぼくの一方的な片想い ヤドリギ @yadorigimituketa

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