第39話

2月14日。バレンタインデー。

教室中が浮き足だしていて、男子達が授業に集中できずにいる。女子達も同様に。

どこの教室でもそうだろう。

もうすぐ午前の授業が終わる。


キンコーンカンコーン

チャイムがなり、4限目が終わる。女子達が群れて教室を出ていく。

私はその群れに入らず、昼食を食べる。男子全員が残っている。他の女子がぱらぱらと入ってくる。

静かになっていく。


午後の授業が終わり、放課後になった。

帰る支度を済ませ、鞄から手作りチョコが入った袋を抱えて汀銘君の教室に向かう。

教室に着き、汀銘君が出てくるのを待つ。

15分後に汀銘君が出てきた。

「汀銘君。はい」

袋を彼に渡す。

「ありがとう。雨下さん」

「暗いから一緒に帰らない」

と誘われる。

誘ってくれた汀銘君。

嬉しい。

今日も雪が降っていた。

彼の体温が私の手に伝わる。

温かい。

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