第5話

翌日。

寝坊をして、朝ごはんを食べていない。

腹空いたー。

二度寝をしてしまい、起きれなかった。お兄ちゃんが起こしてくれなかったからぁ。


午前の授業が終わり、昼休みになって屋上に向かった。廊下を歩いていると前から知っている男の子が走ってくる。

「やっはろー、雨下先輩っ」

いつもより高くて可愛い声をだす。

「どうしたの、その挨拶。今まで言ってなかったじゃん。俺ガイルのでしょ」

驚いた顔をして返す彼。

「雨下先輩が知ってるなんて驚きました」

「波暮君、お兄ちゃんが観てたから知ってるだけだよ。で、何かあるの」

「いえいえ雨下先輩、何もないですよ」


話を切り上げて屋上へと足を向けて歩きだす。

扉を開けて、屋上を見渡すも汀銘君の姿はなかった。ベンチに腰かけ、昼ごはんを食べ始める。

空を見上げる。

気持ちいいなぁ、晴れてて。屋上はやっぱりいいなぁ。

今日は校内放送が流れていて、今はちょうど私の好きなバンドの曲が流れている。

やっぱり、ミセスは神だな。


汀銘君はいまどこにいるんだろう。

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