第2話
「おいっおいおい、起きろ。雫、朝だぞ」
「うぅぅ、まだ寝てたいよぉ」
兄に揺さぶられ、目を擦りながらベッドから這い出る。
「あれ、お母さんは」
と聞くと呆れたようにため息を吐き、答える。
「もう仕事に行ったよ。おかずは何がいい」
「何でもいいよぅ」
兄は階段を降り、キッチンでおかずを作ってくれる。
その間に洗面台で顔を洗う。階段を降り、リビングに向かい、朝ごはんを食べる。
支度を済ませ、学校に向かう。
午前の授業が終わり、昼休みになる。
今日は沙紀ちゃんが一緒に昼ごはんを食べれないと断られたので屋上で食べることにする。
屋上の扉を開くと汀銘君が設置されているベンチに腰かけて昼ごはんを食べていた。
間を空けて座る。
彼はイヤホンをしていて、私に気付いていない。
時々彼が小さく笑う。
数分後。
イヤホンを外し、私に気づく。
「これ、食べる?」
「うん、ください」
手作りクッキーを一枚もらった。
嬉しい。
バタンと音がして、そちらを向くと女子がこちらに向かってきた。
「汀銘先輩~、ここにいた」
と甘えた声で彼に抱きつく。
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