当世風な風雅

気負って気取った短歌も悪くないのですが、歌は世につれ世は歌につれ、という言葉もあり、やはり身近なことが詠まれていると心から「ああ、わかる!」と心動くもので、私はこの句集が好きです。
日常の歌のなかにある、小さな針のような悲しみや寂しさがちくりと刺さって、それがまた読者が普段経験している痛みに通じるところがあり、リアリティがありつつエモーショナルな句集です。おすすめ!