編集済
今までのこの連作中、一番好きな話でした。
あまり喋らず、存在によってその異様を刻み付けてくる怪異が好きで、読むものの脳裏の薄く暗い空間に立つ稜将軍のすがたはまさしく、理想とするそれです。
そしてまた、羅刹女の城廓、天魔の凱歌、恐ろしく鮮やかな紅を心に引いて、バタンと終わる、この感覚。
中国は『宣室志』の挿話として、岡本綺堂の紹介していた「柳将軍の怪」という有名な怪談がありますが、名前からそれを連想して読み出したものの、それを読んだときよりもいっそう鮮烈な印象を覚えました。
作者からの返信
返事が遅れまして申し訳ありません。
丁寧な感想をいただき、ありがとうございます。クトゥルー神話がらみのワードを東洋風にいじくり回すのが好きで、そうして出てきたタイトルをもとにイメージだけで書きました。
「柳将軍」という物語については存じませんでしたが、検索して確認しました。雰囲気のよい怪異譚を教えていただき、重ねてお礼を申します。
こんにちは。
意外なオチで、その描写もおもしろいですね。