3. Archetypes
少年の挑戦に、深淵の入口に鎮座する黒い邪神は、重い
かすかな
生き物の内部を思わせる生
表の世界からは到底うかがい知れぬ広大な世界。そこを往く冒険は探求と試練の連続だった。
高峰の頂にすまう老賢人に挑んで進むべき道を得、ある時は道化に付きまとわれつつ、ある時は狂える魔神に
そして、ようやくたどり着いた。生命の光にかがやく、百合を思わせる純白の神殿に。
おずおずと足を踏みいれた中には、夢にまで見た乙女が眠っていた。
“やっと、
母親を呼ぶ声が足許から響き、ゆらりと立ち上がった影は、少年を逆に地面へ叩きこむと、乙女の眠るその手前の床に丸いものを叩きつける。少年本人すら知らぬ間にもぎとっておいた、老賢人の首だった。
砕けた床に暗く底知れない
少年に成り代わった影は、豊かな胸にまどろみながら、
『元型(Archetype)』
ユング心理学の概念で、無意識の中に存在する精神活動の原型的な働きによって表れる像。父を表す『老賢人』、理想的女性像である『アニマ』、母を表す『太母』、自我に抑圧された自分である『シャドウ』などがある。
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