第5話

夢はいつもここで終わる。もしかしたらまだ続きがあったかもしれないし、途中にもまだ何かやりとりがあったかもしれないが、頭に残っているのはいつもこの部分だけだ。

この夢から覚めた時、いつも、「ああ、また同じ夢を見ていたんだな」という感覚がある。最後にこの夢を見たのはいつだったか、一体何の前夜だったのか、全く覚えていないが、何か楽しみに思うことの前の晩にこの夢を見るということだけは、根拠もなしにハッキリと分かっている。


年々、大人に近づくにつれて、楽しいと感じる瞬間が減ってきたように思う。ワクワクして眠れないことよりも、不安でたまらなくて眠れないことの方がはるかに多い。だがそんな日々の中で、久しぶりにあの夢を見た。意味もなく、なんだかヘンテコで、わけの分からない夢だが、私はあの夢を見ると、何故か懐かしいような、嬉しい気持ちになるのだ。なんとも思っていなかった今日、あの夢を見たのも、何か意味があるのだと思う。

私は自分では気づかないうちに、楽しいという感情を押し殺して生きているのかもしれない。本当は私にとって大切で、特別な今日を見逃さないように、私が私に向けたサインのようなものがあの夢なのかもしれない。


夢とは不思議なものだ。無意識の中に私の意識と無意識が確かに繋がっている気がする。


次にあの夢を見るのはいつだろう。

私はこの先もあの夢を見続けるのだろうか。

私には分からない。先のことは何事も分からない。しかし、願わくば、あの夢が示す″楽しみな事″が、これから先も時に形を変えながら私の周りを取り巻いていて欲しいと思う。



そんなことを考えながら、今日も私は夢を見ずに眠るのであった。

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ハンバーグの夢 無糖 @tamagan

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