第38話 ティータイム みずほと健一 深夜の電話騒動2

 みずほは、いつものようにパックをしていた。

時計は、AM2:00を指していた。

いつものお風呂。

いつものパック。

幸せだわー。

と、思っていると・・・。

『プルルルル。プルルルル。』

この時間は・・・・。

みずほが携帯を持つと・・・

やっぱりサイテー男と着信が書かれてあった。

「やっぱり、こいつか。」

何故、こいつは私がパックを始めると電話をしてくるんだろう。

出ないでいるか。

しかし・・・灯のことも心配だし・・・。

みずほは電話のテンキーを押した。

「なあに!!」

少しぶっきらぼうに話すみずほ。

「あ、みずほ姐さんお久しぶりです~。」

健一が、何処で飲んでいるのか、酔っ払いながら電話をしてきた。

「それで、今日は何の用事?灯の事?」

「ああ・・・そうですね・・・。」

健一が少し元気がない。

この、サイテー男が元気がないなんてことがあるのか?

「灯がどうしたの?」

「男作ってました。」

えっ!?

男!?

灯もやるじゃん。

「あんた以外の男作っていたんだ。彼氏?じゃあ、あんたお払い箱じゃん。」

「それが、そうでもなくて・・・灯は友達だって言ってましたよ。」

友達!?

なるほどね・・・そう言う事か。

健一はみずほが黙ったので、少し不安になった。

「もしもし、みずほ姐さん?」

「生田さん。あんた灯の事どう思っているの?」

健一は驚いた。

滅多にそんなことを言わないみずほ姐さんが、俺にストレートに聞いてくるなんて。

これは非常事態か?

「灯のことは・・・俺もうわかんなくなってきているんですよ。あんなに俺を真っ直ぐに見つめていたのに、ちょっと来ないとこんな・・・他の男を入れるものなんですかね・・・。部屋に。」

「そりゃ、当然でしょう。あんただって同じことやってるんだもの。やられるの当然でしょう?いい加減、両方とも目を覚ました方が良いわよ。遊びなら、遊びって割り切ってやるのね。そうすればお互いが何をしていたって、腹も立ちはしないでしょう?腹が立つということはあんた、灯の事好きなのよ。涼子さんよりもね。」

俺が、灯の事が好き!?

涼子よりも?

「そんなこと・・・。」

と、言って健一は黙ってしまった。

涼子は最近俺に一段と冷たくなった。

俺が、精一杯愛しているのに・・・

でも、浮かんでくるのは灯の事ばかり

何故だろう・・・。

彼が、そのまま黙ったので、みずほは電話を切った。

まったく、この二人は何やっているんだろう・・・。

お互い惹かれ合っているのにね。

もし、灯が健一を捨てたら、一体健一はどうするつもりなんだろう。

ふと・・・思うみずほであった。


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