第33話 ティータイム みずほと健一 深夜の電話騒動

みずほは、夜のパックをしていた。

仕事から帰宅してお風呂に入り、ラベンダーの香りのパックを付けるのが、みずほの一日の習慣であった。

ああ・・・至福の時・・・。

みずほが、香りに酔いしれていると・・・。

電話が鳴った。

「誰よ、こんな時間に!?」

みずほは、電話を取った。

着信は『サイテー男』と書かれてあった。

健一だ!

うわー!何の用事!?

所で今何時よ?

時計は、AM1:30を指していた。

みずほが、電話を取る。

「ちょっと!今何時だと思っているのよ!」

「あ、姐さん。お久しぶりです。健一です。」

健一は、酔っ払っていた。

「あんた、酒飲んでるでしょう?酔っ払いに用はないわ。要件なら早く言って!」

「灯と復活しました!」

みずほは、思わず電話を切った。

「何言ってんの、サイテー男!私に二度と電話してくるな!」

すると、即座にまた電話がかかってきた。

みずほが怒った様に電話を取る。

「二度と掛けてくるなー!」

「冷たいなー。姐さん。灯と復活したんですよ。喜んでくださいよ。」

「何で私が喜ばなきゃならないのよ!灯には手を出すなって言ってあったでしょう?」

「向こうから言って来たんですよ?復活したいって?愛人でもいいからって?」

健一が酔っ払いながら言う。

「で、あんたは、涼子さんとやらと別れてないんでしょう?何で私が灯が不幸になることを応援しなきゃならないのよ!」

みずほが言う。

「涼子・・・あいつ浮気していたんですよ・・・。」

健一が、呆れたように言う。

「それが、私と何の関係が!?」

「悔しいから、俺も浮気してやろうと思ったんですよ。灯のことはまだ・・・好きだったし・・・だから灯と元に戻ることにしたんです。」

「そう言うのを、腹いせって言うのよ。涼子さんと別れて灯と付き合うならともかく、二股!?よくできるわね!灯を幸せにできないなら、二度と私に電話してこないで!灯にも伝えておいて!」

そう言って、みずほは電話を切った。

とは、言うものの・・・。

灯が、あのサイテー男の餌食になるのは、友達として放っておけない。

みずほは、明日灯に電話を掛けて見ることにした。


そして、翌日。

みずほは、休憩中に灯に電話した。

時計はPM3:30を回っていた。

やっぱり仕事中なのか、灯は出なかった。

みずほが、留守電にメッセージを入れておく。

「灯、あんた、何考えているのよ!本当に愛人になったの?この、メッセージ聞いたら電話して。」

そう言うと、みずほは電話を切った。

「大丈夫かな・・・灯・・・。健一との2人の問題だけど、心配でならない・・・。」

そう思う、みずほであった。 

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