第31話 再燃 都合のいい女の始まり

「健一!?」

灯が呟く。

「久しぶりだね・・・。」

健一が話す。

灯!健一よ。あんなにも恋焦がれた健一が電話をかけて来てくれたのよ。

でも、どうして・・・。

私はもう、あなたの事はあきらめたのに・・・。

「どうして?」

「えっ!?」

灯が話す。

「私、エデンに行ってたこと知ってたでしょう?どうして今日になって連絡してきたの?」

「いやあ、安田さんから電話番号もらって、懐かしくなって電話したんだ。」

でも、内心は・・・

健一は涼子とうまくいってなかった。

そこで、電話番号を持って来た灯とのセックスが忘れられなくて電話してきたのだ。

「今日は、たまたま休みだったので、電話できたんだ。」

「そうなんだ・・・。」

灯は、舞い上がっていた。

健一と話してる。

灯はそれだけで幸せであった。

健一が更に話す。

「今から、マンションに行ってもいい?」

「えっ!?今から!?」

時計を見ると、PM11:00を指していた。

今日は木曜日

明日も出勤だ。

もう寝なければならない。

「いいわよ。」

「わかった、じゃあ、今から電車で向かうから。」

「健一。今どこ?」

「今、家。45分位でつくから。」

そういって、健一は電話を切った。

「どうしよう。今から健一が来る。」

彼女は、まず、鏡で自分の顔を見た。

疲れた女の顔が、そこにはあった。

灯は、化粧直しをした。

それから、部屋を少し綺麗にした。

「こんな物かな・・・。」

時計を見ると、PM11:45を指していた。

「健一が家のマンションに来るの久しぶり。」

灯はすっかり舞い上がっていた。

これから、自分が都合のいい女になるとは知らずに・・・。

そんな事をしていると、

健一から電話がかかってきた。

駅に着いたという。

「一人で、大丈夫?」

「大丈夫。何回か、灯の所には来ているから。」

「わかった。気を付けて来てね。」

灯は電話を切ると、久しぶりの再会に胸躍らせた。

「健一。お腹空いてないかしら?」

見ると、お酒も用意してない。

いきなりだから・・・。でも、こんなのもいいかも。

灯がくすっと笑った。

それから、10分くらいたったころだろうか・・・

『ピンポーン・・・』

ベルが鳴った。

灯が答える。

「どなた様でしょうか?」

「健一です。」

懐かしいあの声だ!

灯は、慌ててドアを開ける。

『ガチャ!』

そこには、健一が立っていた。

コンビニから、何か買って来たみたいだ。

「うーさむ。」

健一の第1声は、その言葉だった。

それから、灯の方を向くと、

「久しぶりだね・・・。」

と呟いた。

それから、灯に袋を渡すと、

「はい。差し入れ。」

と、缶ビールの入った袋を差し出した。

「うわあ。ありがとう。私買ってこなかったから、助かっちゃった。」

それから、灯は健一を部屋に招き入れた。

薄紫のカーテンも変わってない。

「ここは、変わりないね。」

「そうでしょう?さ、座って。ゆっくりしていってね。」

灯がかいがいしく、グラスを2個持って来る。

本当は、死ぬほど疲れていた。

でも、健一の為だもの。

灯は、すっかり恋人気取りであった。

そんな灯の手首を、健一は掴んだ。

灯が、ハッとする。

2人は見つめ合った。

それから、健一はゆっくりと唇を近づけ、灯に口づけをした。

そして、言った。

「ただいま・・・。」

「健一!」

灯が抱き着いた。

「もう・・・私から離れないで・・・私何でもするから・・・だから、離さないで!」

健一は、灯を抱き締めた。


そして、そのまま、灯の布団の方に歩みを進める。

2人が、布団に抱き合いながら倒れた。

健一が、灯の服を脱がしながら話す。

「俺と、会わない間、何人の男と寝た?」

見透かされている?

私は彼と会えない間、マッチングアプリで出会った人と、何人か寝た。

でも、ここでそれを言ってはいけない。

灯は、ごまかした。

「寝てないよ。あなただけ。」

「嘘だ、1年半もご無沙汰だったんだぞ。」

健一が、笑いながら話す。

灯が可愛く言う。

「2人くらいかな・・・。」

彼女は恥ずかしかった。

「2人も寝たのか・・・じゃあ今日は、お仕置きだな・・・。」

「えっ!?」

どんなお仕置き?

「その、2人とやったエッチと、同じことを今ここでやってもらおうかな・・・。」

何!?この健一!?

1年半前と全く違う。

あんなにも優しく、情熱的に私を抱いてくれたのに・・・。

「さあ、早くやってよ。」

今は、別人といるみたいだ・・・。

何かが違う・・・。

灯は、茫然としていた。


健一は、少しイライラしていた。

涼子ともうまくいかない。

灯は相変わらず、昔の俺を追っかけている。

だったら今の本当の俺を、灯にぶつけたらどうなるか。

賭けて見たのだ。灯が、どれだけ自分のことが好きか。

すると、彼女は乗ってきた、俺のズボンをずらし始めた。

そして、シャワーも浴びていない俺の大事なところを舐めはじめた。

灯は、こんな感じで、色んな男を咥え込んできたのか。

1年半前よりもうまくなっている。

やっぱり、都合のいい俺の女だ。


灯が、健一の秘部を咥え込む。

健一が感じている。

灯は、それだけで、幸せだった。

さっきの健一は・・・見間違いよね・・・。

灯は、感じる健一を更に攻めた。

彼は、私の事を愛しているから、帰って来てくれたのよね。

健一が、絶頂に達した。

灯は、彼の全てを全部飲んだ。

彼が、一息つく。

「なるほど、こんな感じだった訳ね・・・。」

健一が、意地悪そうにつぶやく。

そして、灯をおいて、ビールを飲みに行ってしまった。

どうして・・・

こんなの、健一じゃない・・・。

灯は、困惑するばかりだった。



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