第30話 ティータイム みずほと敦 裏話2
みずほは、またまた、いつもの店で昼食をとっていた。
最近は誰も来ないから、ご飯が美味しい。うふっ
そう思いながら、彼女がご飯を食べていると・・・
敦がやってきた。
敦は何かをキョロキョロするような仕草で店に入ってくると、ほっ・・・と一息付いた様に、そのままみずほのテーブルに着いた。
「・・・何やってるの?あんた?」
みずほが言う。
「今日は、一人なの?」
敦が話す。
「一人だけど・・・何か用事?」
みずほが、きょとんとした顔で話す。
「い・・・いつもの人はどうしたのよ?」
「いつもの人?」
彼女は昼食を食べながら、敦に話す。
「そうよ。あなたと、時々昼食が一緒になる人よ。」
「誰だっけ?ああ・・・そう言えばいたなー。」
みずほは半分やる気のない態度で考えていた。
そして、ハッとした。
ああ、思い出した。時々用事もないのに私にくっついてくる男がいたなー。
「もしかして、木下君の事?」
「木下さんていうのね。その人?」
敦が頭の中にインプットするように話す。
「あなた・・・その人の事・・・どう思っているのよ。」
敦が単刀直入に切り出す。
「どうって・・・別に・・・。」
みずほが呟く。
「じゃあ、恋人じゃないのね?」
「違うけど・・・木下君がどうしたの?」
彼女は更に敦に聞く
「そっか・・・じゃあ私取っちゃっていいんだ・・・。」
「はあ・・・。」
みずほが話す。
「私、木下さんのことが好きなの。これは運命の恋よ。最初あった時から、ビビビッと来たの。」
「・・・そうなんだぁ。」
みずほは、この状況を面白いと思った。
そこで思ってもいないことを口走る。
「でも、木下君。他に好きな子がいるみたいよ~。その子はお目目パッチリ。赤い口紅が似合う、可愛い女の子よ。」
「そうなの?じゃあ、こうしてられないわ!化粧しなきゃ。マスカラ買わなきゃ!」
そういって、敦は喫茶店から出て行った。
後に残されたみずほは、ぎゃははは、馬鹿じゃねぇの。と言いながら、明日木下を連れて、此処に来ようと思うのであった。
そして、翌日。
「・・・ていう、男の子がいて、あんたのことが好きなんだってさ。」
木下は、ただ、口をあんぐり開けていた。
なんで、なんで、みずほさん。酷すぎます。僕は僕は本当はあなたの事が・・・。
その直後
敦が、思いっきり化粧をして、喫茶店に来たのは言うまでもない・・・。
木下は泡をふいてぶっ倒れた。
それをみずほは笑い転げた。
こんな楽しいこと久しぶり!
笑い転げるみずほだった。
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