第24話 ティータイム みずほと敦 裏話編

みずほは、いつもの喫茶店で、またまた、遅い昼食をとっていた。

毎日此処に来るのが彼女の日課だ。

今日は、何を食べようかな?

最近、オムライスが続いていたから、今日はサンドイッチ辺りにしようかな。

みずほは、ウエイトレスを呼ぶと、コーヒーとサンドイッチを注文する。

そして、待っている間に、BLを読み始める。

すると、

「た・・・大変よ!!ニュースニュース!!」

敦が、血相変えてやってきた。

ちっ!今度は敦か。

最近、健一も来なくなってゆっくり、昼食を取れていたのに・・・。

まあ、いいか。食事が来るまで暇だし、相手してやるか。

「どうしたの?」

みずほが妙に優しく話す。

「どうしたのじゃないわよ!大変よ!」

敦が、みずほの席の椅子に座った。

「だから、何が大変なのよ。」

敦は、ウエイトレスが持って来た水を飲み干すと、はあー・・・と一呼吸突いた。

「あんたの友達の、灯と生田君がクビになったのよ!!」

「あら・・・?それは大変ね?どうしてクビになったの?」

みずほが聞き返す。

「あら、あんまり、びっくりしないわね?つまんない女ね。」

「あの二人だもの、何があっても驚かないわよ。」

みずほが、煙草をくゆらせながら、話す。

「まあ。そうね。」

敦も納得する。

「で、原因は何?」

敦は、みずほの言葉に、思い出した様に言った。

「あ、そうそう。原因は、二人が休憩室でセックスをしていたのよ。」

「はあ・・・。」

みずほは呆れた。

何で、そんなところでするかなあ。

「そりゃまた、お盛んで。」

みずほがコーヒーを飲んでいると、サンドイッチがやってきた。

「大友主任が現場を押さえたみたいなんだけど。社長もかんかんで。その日のうちにクビよ。私、熱があってさあ、その日は仕事行けなかったんだけど、翌日言ったら、店中その話でもちきりよ。まあ、店としてはさあ大物2人を一気に辞めさせたから、仕事量が増えて大変みたい。大友主任も、藤田主任も、ピリピリしててさあ。やんなっちゃう。」

敦は、ウェイトレスに、コーヒーを注文した。

「でね、暫く仮休憩室を作ることになったの、主任クラスが休憩するところなんだけど、狭いのよねー。皆からも見えるし。落ち着かないったら。」

「で、その休憩室はどうしたの?」

敦が、ウェイトレスが持って来たコーヒーをすする。

「原因は幸太郎なのよ。あの子匂いに敏感でさあ、この休憩室使いたくないって、言い出し始めたの。で、今休憩室はプロの掃除屋さんが入って、綺麗にしている最中なの。大友主任は、ソファーから、椅子に変えると社長が言ってると話してたわ。私あのソファー気に入ってたんだけどねー。」

「そうなの。」

みずほは考えた。やっぱりこうなったか。

それにしても・・・休憩室とは・・・。

灯も、やりましたねえ。

まあ、どうせ健一に言われて、断り切れなくてやってたんだと思うけど。

多分灯の事だから、今頃立ち直れなくて泣いているでしょうし・・・。

今日あたり、電話してみようかな。

みずほがそう考えていると、敦が話してきた。

「でも、休憩室とはね・・・。生田君もやるわね。」

「やるとは?」

みずほが、サンドイッチを食べながら答える。

「それほど、2人は愛し合っていたってことでしょう?いいわねえ。私も欲しいわ。そう言う人。」

「本当に愛し合っている2人が休憩室なんかでやるかしら?」

みずほが答える。

「あら、じゃあ、2人は遊びだったって事?」

みずほは、敦の話を無視した。

2人の関係を外部に話すのは嫌だったし、何より心配だったのは、シオンの同僚の関係性が崩れて、健一が灯をどうするかという事だった。

多分、健一は灯を切るだろう。そんな気がする。

みずほは少し、考えていた。




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