第2話 ティータイム みずほと灯こぼれ話1
いつものように喫茶店でコーヒーを飲みながら話す、みずほと灯。
香山みずほは、商社に勤めているバリキャリだ。
仕事が楽しく、男は2の次と思っている女性だ。
「なるほど。これが灯と生田 健一との出会いだったのね。」
「そうなのよ。最初は何とも思っていなかったわけ。」
「でも、啓介君のことがもううっとうしかったわけなんでしょ?何で別れなかったの?」
みずほは、灯の痛いところを付くのが得意だ。
「あ、それはさあ・・・やっぱり、一人になると寂しいじゃない?だからキープしておきたかったの。それに、まだ嫌いってわけでもなかったし・・・。」
「あんたはいつもそう。男の気持ちが分からないのよねー。そんなにせっついたら、お父さんの所に行こうにも行けないじゃない?もう少し、啓介君のことは思いやれなかったの?」
「思いやり!だって、だってさ、私だって我慢したさ。なるべく言わない様にしたさ。でも、状況は動かなかった。だから、仕方なく言ったんだよ。」
「灯は、自分だけが可愛いだけじゃん。啓介君と一緒になれば、黒歴史を体験せずに済んだのに・・・」
と、言ってコーヒーをすするみずほ。
「今頃は、可愛い子供でも居たのかもねー。」
「そうかなあ。私は黒歴史を体験したことで、辛かったけど大人になれたような気がするけど。」
「それで占いダイヤルに凝っている様じゃ、幸せなんてどこにあるの?て、感じだけどねー。」
何も言えない灯。
「占いダイヤルっていくらするの?1分間200円の物もあるよね。灯さー。まずいんじゃないの?このままだとあなた、借金地獄だわよ。」
「まあねー。でも、しょうがないじゃない?パチンコ屋の遅番から帰って来て、話しできる人は誰も居なかったんだもの。みずほだって寝てるじゃない?だから、話し相手にちょうどいいかなあって。2人の未来も、気になったし・・・。」
「でも、これから生田 健一と灯はどうなるのかしら?楽しみ楽しみ。」
「フォローになってないから・・・。」
2に続く
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