第2話

ちっちゃい頃。私はマミーに言いました。


「ねぇー、ママ!私ね、ずっと啓太と咲と一緒にいたい!!」


「あら、そんなに仲良くなったの?良かったわね。」


「うん!それでね!私、啓太と咲と結婚するの!」


「え、まってみずきちゃん。どーしてそうなったの?」


「だってね、このこと啓太と咲に言ったらね、ずっと一緒にいるなら結婚しなきゃダメなんだよって」


「そうなの?でもねみずきちゃん、3人では結婚できないんだよ?」


「えー、だってね。啓太は私と結婚したいって言ってね、咲は私と結婚したいって言うからね、私2人のこと同じぐらい大切だから3人で結婚するのぉー!」


「んー、でもね、ルールでね、決められてるのよ。」


「じゃあルール変える!」


「えぇ!?」


「私、この国のだいとうりょうになって、ルール変える!」


「ちょ、待ってみずきちゃん。まず、大統領にはなれないわ、ここ日本だから。って言っても分からないわよね。」


「じゃあエリザベス女王になるぅ!」


「え、それもなんか違うわよ!」


「大丈夫よママ!私頑張るから!」


「みずきちゃん!どこ行くの!」


「3人で結婚できるようにわたし、偉い人に頼んでくるぅー。」


「偉い人って?」


「魚屋のおじちゃん!!!いつもいかついから!」


「言っても何も変わらないと思うんだけど・・・。」


「じゃあ行ってくるぅー!」


「待ちなさい!こら、みずきちゃん!!」



あの頃は3人で結婚できるように頑張って魚屋のおじちゃんに頼んだなぁ。

ってそうじゃなくて、なんで啓太と咲はキスしてんの?え?もしかして2人って実は付き合ってたみたいな?でもいつの間に付き合ってたんだろ。というかとりあえず逃げなきゃ。よし、逃げよう!


「あれ?瑞希?」



あっ、やっちゃった・・・。



「瑞希?そこにいるのか?」


「あっ、どーも!2人とも!あれ?咲もなんでいるの?」


「ねぇ・・・瑞希?」


「何、咲?」


「なんかあった?」


「え、別に??」


「そう、ならいいんだけど。」


「てか瑞希、なんでここにいるんだ?」


「あ、それはね、啓太。えーと、私が授業中寝てて、それで、先生が顔洗ってこいって言って・・・。やっば!早く戻んなきゃ!」


「お前・・・さっさと行けよ。」


「うん!じゃあまた後でね!!」


やっばい!上手く乗り切れたけどこれからどう接していったらいいんだろ?やっぱり私ってお邪魔かな?ってか2人はいつ付き合ったんだろ・・・。


ガラッ



「先生ー、ただいま戻ってきました!」


「お前遅いぞ、どれだけ時間かかってんだ。」


「す、すいませーん。」


「ちゃんと顔洗ったか?」


「いえ、顔は洗ってないんですけど目が覚める位の事態が起こったので大丈夫です。」


「・・・そうか。じゃあ授業始めんぞ。」


「はーい。」


うーんん、これからどうしよっかな。でも私に話してないってことは秘密にしたいのかな?それとも私が付き合ってんの?って言った方がいいのかな・・・。


「・・・先生。」


「なんだ?」


「・・・先生。」


「どーした?なんかわからない問題でもあったか?」


「先生ーー!!!!」


「うわぁ!な、なんだよ瑞希。声がでけぇーよ!」


「先生ってそこそこかっこいいですよね。」


「お、おう。ありがとう。」


「で、そこそこ女子にモテますよね。」


「そ、そうか?まぁ褒められて悪い気はしないな。」


「もし、先生の大親友。デカ眼鏡が特徴の三島先生が、男子生徒人気ナンバーワンのまりんちゃん先生と付き合ってたとします。」


「三島先生とは大親友でもないし、話したことないんだが・・・。」


「で、放課後キスしました。」


「唐突だなおい。」


「その時、先生はその光景を見ました。」


「お、おう。」


「先生はどうしますか?」


「俺は・・・とりあえず放っておくかな。」


「その心は!?」


「大親友だったら、そのうち話してくれるもんだろ。」


「なるほどね。」


「おう。」


「ところで先生。」


「なんだ?」


「先生がそこそこかっこいいって話、嘘です。」


「嘘かい!」


「はい、それに先生が毎回まりんちゃん先生と話すと鼻の下伸びるところあんまり見たくないです。」


「おいっ、べ、別に鼻の下伸ばしてねぇよ。」


「・・・・・・。」


「やめろ!俺をそんな目で見るな!」



そっかー。じゃあ私は啓太と咲が言い出すまで黙った方がいいのか・・・。ほんとうはクラッカーとケーキ用意して祝いたいぐらいだけど・・・。これからは2人がいられるように少しでも協力しよう!!



「先生!私決めました!」


「何をだ?」


「私、勉強頑張ります!!!」


「おっ、やっとやる気になってくれたか!」


「はいっ!東大目指します!」


「目標が高いな瑞希。」


「そして、啓太と咲に迷惑かけないように勉強から頑張ります!!」


「おぉー、じゃあまず、卒業できるように補習頑張らないとな。」


「はいつ!どんな問題でもどんとこいです!!」





そしてその頃、啓太と咲。


「ねぇ?大丈夫かしら。」


「何が?」


「さっきの瑞希。様子がおかしかったじゃない。」


「いつものことだろ。」


「せっかく瑞希も来たから一緒に私が作ったクッキー食べたかったのに。」


「後で届けに行ったらどうだ?」


「そうね、そうするわ。ところで目大丈夫?」


「あぁ。ありがとな。さっきは目の近くのゴミ取ってくれて。」


「いいわよ、別に。」


「・・・もう夏も最後だな。」


「やめてよ、まだ来年も夏はあるわ。」


「でも、俺達が一緒にいれるのはこれで最後だろ。」


「・・・そうね、みんな別々の大学だし。そもそも瑞希は卒業できるのかしら。」


「だからな。」


「何?啓太。」


「俺は今年瑞希に告ろうと思う。」


「・・・やめてよ、そんなことしたら私たちの関係どうなるの?」


「咲だって、瑞希に告白しないでいいのか?」


「な、何言ってんのよ!私は別に恋愛として瑞希のこと好きなわけ・・・」


「好きだろ。ずっと近くで見てきてわかる。」


「・・・・・・。」


「昔さ、小さい頃。覚えてるか?」


「・・・何のこと?」


「瑞希がさ、3人で結婚するって言った話。」


「覚えてるわよ。」


「俺さ、3人じゃなくて2人で結婚したいっていったんだ。」


「そんなの、私だって、いったわよ。」


「うん・・・だからさ、咲はライバルだなって思ったんだよね。」


「・・・啓太なんかに負けないから。」


「俺だって咲には負けない。」


「・・・じゃあ私、部活行くから。」


「・・・あぁ。」




ミーンミンミンミーン






始まりのゴングがなった。

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高校最後の夏がきた @2-9-2-9

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