主要登場人物の紹介(前作未読の方々のために・その2)

外見や使用魔法など、前作で説明されたこと

   

 ラビエス・ラ・ブド(転生者)


 冒険者としては薄茶色の皮鎧を、治療師としては白ローブを着用。

 黒魔法も少しだけ使える、白魔法士。

 光系統の回復魔法(第三レベルまで)と解毒魔法、風系統(第三レベルまで)、火系統(第二レベルまで)、水系統(第二レベルまで)が使用可能。


 信心深いこの世界では『神への祈り』である呪文詠唱の本文をアレンジすることは御法度。むしろ発想すらしないのだが、転生者であるラビエスは「ウイルスの遺伝子を組み替える」ような感覚で、呪文の一部を変更。風系統をベースとして、オリジナルの炎風魔法を編み出しており、これが彼の最大威力の魔法となっている。


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 マール・ブルグ(異世界人、ラビエスの幼馴染)


 ラビエス曰く『澄んだ透明感と、しっかりした存在感とを併せ持った、お嬢様っぽい声質。俺の大好きな、耳に心地よい声』の持ち主。

 同じくラビエスによる外見描写では『少しタレ目の細い瞳が、笑うといっそう細くなり』『青みを帯びた長い黒髪は美しく、顔立ちも悪くない』『まあ胸は大きくないが、スレンダーな体型には良く似合っていて、むしろプラスに思えるくらい』となっている。

 女性用スカートタイプの皮鎧を着た戦士。上半身が白、下半身が赤のツートンカラーのため、パラは当初マールのことを心の中で『巫女さん』と呼んでいた。


 第一章時点では軽片手剣ライトソードを、第二章からは炎魔剣フレイム・デモン・ソードを用いて戦う。

 戦士であり、作中で魔法を使う描写は一度もなかった。ただし、この世界の人間が当然保有しているレベルの魔力は持っており、ラビエスと一緒に魔法学院へ通った経験もある。彼女自身が『一応は第一レベルの炎魔法を発動できるが、威力も弱いし、魔力を大量消費するとみえて凄く疲れてしまう。そんなの割に合わないので、基本的に魔法は使わない』と述べているように「魔法は使えない」と言って構わないレベル。


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 パラ・ミクソ(転生者)


 十二病――中二病――の女性に転生してしまったため、右目には眼帯、左腕には包帯という特徴的なファッションを続けている。

 ラビエスが初めて会った時の記述によると、

『特徴的な、少しガチャガチャっとした感じの声質。だがオバサン声というほどではなく、耳触りが悪いわけでもない』

『一見まだ子供のようだが、魔法士系の冒険者の格好をしているので、それなりの年齢のはず。おそらく、俺やマールより少しだけ若い程度だろう』

『つばの広い、黒いとんがり帽子。そして、黒いローブ。ローブは前をきちんと閉じずに、だらしなく開いたままで、その下は、動きやすいラフな服装――オレンジ色のシャツと黒いズボン――だった』

『帽子の下から見える金髪は、女性にしてはあまり長くないようだが、左右で短く束ねている』

『くりっとした瞳が特徴的な童顔で、背丈も小柄。そのわりに胸は大きい』

 なお最後の項目に関連して、ラビエスは、名前を聞くまでパラのことを内心で『ロリ巨乳』と呼んでいた。


 白魔法に分類される攻撃魔法も含めて、五系統の攻撃魔法が扱える黒魔法士。

 この世界の魔法は六系統あるが、パラ自身が説明しているように『ただし闇の系統は、麻痺魔法や即死魔法など特殊な攻撃魔法ばかりで、かなり熟練した老獪な魔法士でさえ扱うのは困難とされています。危険なので、魔法学院でも教えてもらえないくらいです』なので、五系統が扱える時点で優秀。

 具体的には、風系統は第一レベルまで、火系統は第三レベルまで、水系統は第三レベルまで、光系統は第二レベルまで、土系統は第二レベルまで、それぞれ使用可能。同じ「第三レベルまで」だが、最も得意なのは炎魔法。


 この世界では、呪文の詠唱文そのものは誰も改変しないが、詠唱文の前に独自の副次詠唱を付加する者は結構いる。

 パラの場合、十二病的な――中二病的な――副次詠唱を炎魔法に加えることで『神の爆炎』『封印されし禁断の秘奥義』と呼ばれる威力にまで跳ね上がった。

 第二章では「これは本来の自分の趣味嗜好というより、オリジナルの『パラ』の影響」と気づいて、転生前の趣味「歌うこと」を活かして『副次詠唱』も『副次唱』に変更。爆炎魔法は、威力アップだけでなく範囲も広がってしまい「味方も巻き込むから迂闊に使えない」というレベルに。


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 リッサ・ラゴスバット(異世界人、伯爵家の一人娘)


 白魔法の使える武闘家。『大人びた感じの、色気のある艶っぽい声』の持ち主。

 ラビエスたちが初めて会った時は「いかにも白魔法士」という格好をしており、

『しかも、その声がよく似合う顔立ちをしている。目鼻立ちの整った、面長おもながの美人だ』

『座っているから明らかではないが、女性にしては高身長だろう。マールより高いだけでなく、俺と同じくらいかもしれない』

『ただし大柄という印象がないのは、スレンダーな体つきのせいだろうか。しかもスレンダーなのに「出るところは出ている」という、女性としては何とも恵まれた体型だ。「出過ぎている」わけではないから、パラの『ロリ巨乳』のような「体格に不釣り合いな感じ」は全くなかった』

『俺と同じタイプの白ローブを着ているが、フードは被らず、背中に垂らしている』

『美しい赤髪はかなり長いようだが、銀色のリボンで結わえているので――いわゆるポニーテール――、正確な長さはわからなかった。前髪も少しだけ長めだが、左右のヘアピン――リボンと同じ銀色――で留めている』

『金属の髪留めなんて、この世界では珍しい。金属製のアクセサリーといえば、もう一つ。右手の人差し指にも、銀色のシンプルな指輪をはめている』


 しかし白ローブの下は武闘家姿であり、驚かされたラビエスは、以下のように記述している。

『武闘家は一般的に、防御よりも動きやすさ優先の装備をしている。例えば、最近知り合ったセンという武闘家の皮鎧は、武闘家用ハーフタイプと呼ばれるもので、腕や脚を覆っておらず、胴体部しかカバーしていなかった』

『しかし、リッサが着ているものは、それとも違う。真っ赤な女性用ドレスタイプの武闘服だ』

『センの皮鎧と同じく、ノースリーブなので腕は剥き出し。首をガードするために首周りは詰襟状になっていて、下半身は膝下くらいまでカバーしているが、脚を動かすために、側面に腰まで続く深いスリットが入っている。すらりと伸びた生脚が、スリットの隙間からチラチラ見えるほどである』

『まあ、こうした描写よりも、元の世界にあったチャイナドレスをイメージしてもらったほうが早いかもしれない』

『そもそも鎧ではなく武闘なので、素材は布製。一応は身を守るための防具なので、かなり体にフィットしており、これをリッサのようにスタイルの良い女性が着てしまうと、なんともはや……』

『ちなみに、腰には黒い鉤爪をぶら下げており、ちょうど今それを、リッサはジャキンと右手に装着していた』


 攻撃魔法は使えないので、右手の鉤爪『ラゴスバット・クロー』で戦う。初登場時は、左手に持つ杖も鈍器として使用していた。杖の外観は、ラビエスによると、

『軽くて細い杖ではない。いかにも重厚な感じの、太い灰色の杖だった。先端が丸く曲がって『?』のような形になっている。この世界では珍しいが、元の世界では、魔女の杖として頻繁に創作物に出てきた杖だ』


 一般的な回復魔法と解毒魔法の他に、特殊な魔法として、解析魔法アナリシ、転移魔法オネラリ、防御魔法デフェンシオンを使用可能。これらの『特殊な魔法』はラビエスもパラも使えないため、ラビエス曰く、リッサは『俺たちのパーティーが強敵と遭遇した時の生命線いのちづな』となっている。



 前作URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054889084138

   

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