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2019年6月14日 10:42
まずタイトルにあった『非実体フェチ』という言葉の段階で、もう興味深いものでした。アイデアの勝利的な短編かもしれませんが、色々と考えさせられる内容でもありました。『空気グラビア』のあたりでは、まだどちらの意味の『空気』か、私には読み取れなくて、「空気とは、いつも吸ったり吐いたりしている空気のことだろうか、それとも『空気を読む』的な雰囲気のことだろうか」と考えてしまいました。もしも後者だとしたら、(私は「小説で大切なのは直接的な描写ではなく雰囲気だ」と今は思っているので)小説を書く人達が多い場所で『雰囲気フェチ』の話を提示するのは、何とも意味深だと感じたのです。空気アイドルまで読み進めて、自分が間違っていることを理解しましたが、今度は『踊り子さんに手を触れないでください』という言葉が頭に浮かんできて、「アイドルのライブとか握手会とかで起こった現実の事件をモチーフにしているのかもしれない」と考えてしまいました(そういう話に疎い私は、元ネタも、そこに込められたメッセージもわからなかったのですが)。そして、最後の水の話。今でこそ色々なミネラルウォーターが販売されていますが、私の子供の頃はそんなものなかったか、あるいはあったとしても種類は少なかったはず。「わざわざお金を出して飲料水を買うなんて!」という人が多かった時代のことも考えれば(時代は変わるということを考えれば)、作中の『水フェチ』も、あながちフィクションとは思えない……。そう感じてしまいました。色々書きましたが、面白かったです。
まずタイトルにあった『非実体フェチ』という言葉の段階で、もう興味深いものでした。
アイデアの勝利的な短編かもしれませんが、色々と考えさせられる内容でもありました。『空気グラビア』のあたりでは、まだどちらの意味の『空気』か、私には読み取れなくて、
「空気とは、いつも吸ったり吐いたりしている空気のことだろうか、それとも『空気を読む』的な雰囲気のことだろうか」と考えてしまいました。もしも後者だとしたら、(私は「小説で大切なのは直接的な描写ではなく雰囲気だ」と今は思っているので)小説を書く人達が多い場所で『雰囲気フェチ』の話を提示するのは、何とも意味深だと感じたのです。
空気アイドルまで読み進めて、自分が間違っていることを理解しましたが、今度は『踊り子さんに手を触れないでください』という言葉が頭に浮かんできて、「アイドルのライブとか握手会とかで起こった現実の事件をモチーフにしているのかもしれない」と考えてしまいました(そういう話に疎い私は、元ネタも、そこに込められたメッセージもわからなかったのですが)。
そして、最後の水の話。今でこそ色々なミネラルウォーターが販売されていますが、私の子供の頃はそんなものなかったか、あるいはあったとしても種類は少なかったはず。「わざわざお金を出して飲料水を買うなんて!」という人が多かった時代のことも考えれば(時代は変わるということを考えれば)、作中の『水フェチ』も、あながちフィクションとは思えない……。そう感じてしまいました。
色々書きましたが、面白かったです。